ここから本文です

とうきょうの教育 第101号 小学校版 学力向上

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

公開日:平成26年(2014)1月31日
最終更新日:平成26年(2014)1月31日

とうきょうの教育 第101号 小学校版

平成26年1月

できないこと、わからないことをそのままにしていませんか?

平成25年4月24日、文部科学省が小学校6年生を対象に、「全国学力・学習状況調査」(国語・算数の2教科と、生活習慣や学習環境等についての調査)を実施しました。調査の結果から、東京の子供たちは2教科とも、全都道府県中で上位3割以内のグループに位置していることが分かりました。

一方で…東京の子供たちの課題も明らかになっています。

間違えた問題をやり直し、「できない」「わからない」を解消することが大切です。

東京より成績上位のある県と比較すると…

算数B(基礎・基本を活用する力をみる問題)の結果からみたグラフ

正答数(全13問中何問正解していたか)ごとの児童の割合を示したグラフです。

成績上位の他の県と比べると、東京は下位層の児童(正答数が少ない児童)の割合が多いことが分かります。

 

児童・生徒質問紙調査(アンケート)結果から「家で、テストで間違えたも問題について勉強していますか」のグラフ

「している」と回答した東京の児童の国語・算数合計の正答率は71.1%、「全くしていない」と回答した児童の正答率は57.6%となっています。

東京は、復習をしている児童が、成績上位の他の県に比べて少ないことが分かります。また、復習せずに間違えた問題を分からないままにしている児童ほど、教科の正答率が低い傾向が見られます。

その学年で学習する内容を十分に理解しないまま進級したために、次の学年での学習に支障をきたしている児童が多くいます。

 

みんな満点プロジェクト・・・東京都教育委員会は、「できる」「わかる」ようにする指導を徹底していきます。

みんな満点プロジェクトとは…

教科書の例題にあるような、各教科の基本となる問題について、義務教育修了までに東京都の全ての子供が「できる」「わかる」ようにするための取組です。

学習内容をどの程度身に付けているかを把握

都独自の「児童・生徒の学力向上を図るための調査」を実施し、よりきめ細かく子供たちの課題を明らかにするとともに、学校が取り組むべき課題を示して授業改善を図ります。

分からないところに立ち戻る指導の徹底

分からなくなったところまで立ち戻って、丁寧に教える指導の徹底を図り、「やればできる」という自信と意欲を、全ての子供にもたせます。

効果的な指導方法や教材の開発を推進

小学校4年生までの基礎的・基本的な内容を繰り返し学習できる都独自の教材「東京ベーシック・ドリル」を作成します。また、子供たちの習熟の程度に応じた習熟度別指導を推進します。

 

学校では

例えば、かけ算ができなければ、四角形の面積を求めることはできません。四角形の面積が求められなければ、立方体の体積は求められません。基礎・基本を着実に身に付けさせることが必要です

そのために…

  • 習熟の程度に応じた習熟度別指導
  • 学年を超えて分からない箇所に立ち戻る指導
  • 「できる」「わかる」まで繰り返し指導

を徹底します。

 

例…算数「単位量当たりの大きさ」の問題

AとB2つのシートがあります。下の表は、シートの上にすわっている人数とシートの面積を表しています。

  人数(人) 面積(平方メートル)
A 12 6
B 8 5

 

どちらのシートの方がこんでいるかを調べるために、下の計算をしました。

  • A 12÷6=2
  • B 8÷5=1.6

この計算からどのようなことがわかりますか。次の1から4までの中から1つ選んで、その番号を書きましょう。

  1. 1平方メートルあたりの人数は2人と1.6人なので、Aの方がこんでいる。
  2. 1平方メートルあたりの人数は2人と1.6人なので、Bの方がこんでいる。
  3. 1人あたりの面積は2平方メートルと1.6平方メートルなので、Aの方がこんでいる。
  4. 1人あたりの面積は2平方メートルと1.6平方メートルなので、Bの方がこんでいる。

 

正答 1

正しく回答した児童は50.2%でした。

4と回答した児童が18.7%いました。

 

立ち戻る指導

どこでつまずいているのかを確かめ、時には前の学年の内容にまで戻り、正答へと導きます。

式の意味、説明できますか?

このような問題が「できる」「わかる」ためには、式の意味(アメ12個を6人で分けるから「12÷6」)や、式から何を導き出しているのか(12個÷6人=2の「2」は「一人当たりのアメの個数」の「2個」)を理解していることが必要です。

式の意味のイラスト

 

家庭では

「今日、学校でどんなことを習った?」「面白そうだね、くわしく教えてくれる?」などと、お子さんとさり気なく話をしてみてください。お子さんは、会話をきっかけに、その日の授業を頭の中で思い出したり、ノートを見直したりすることができます。これだけでも、復習の習慣をつける手助けになります。

「どう教えたらよいか分からない」「子供は分かったと言っているが、似たような問題で間違える」など、家庭学習をする上で困った時には、ぜひ先生に相談してください。

 

ページID 686

このページの目次

PCサイト表示

表示を元に戻す

ページの終わりです
ページの先頭へ戻る


ページの
先頭へ