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東京都教育委員会は、学習指導要領に示された国語及び算数・数学の目標や内容のうち、学習の素地として確実に身に付けさせておく必要がある資質・能力及び読み解く力の定着状況を把握し、指導方法の改善に結び付けることにより、児童・生徒一人一人の「確かな学力」の定着と伸長を目的として、平成22年10月に実施した「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果を報告書にまとめましたので、お知らせします。
(1) 調査内容
「基礎的・基本的な事項に関する調査」は、国語及び算数・数学の学習指導要領に示されている内容のうち、「児童・生徒が確実に身に付けておかなければ、後の学年等の学習内容に影響を及ぼす基礎的・基本的な事項」を出題し、学習の素地として確実に身に付けさせておく必要がある資質・能力の定着状況を調査する。
「読み解く力に関する調査」は、「文章や図表等から必要な情報を正確に取り出し、比較・関連付けて読み取り、その意図や背景、理由を理解・解釈・推論して解決することができる力」の定着状況を調査する。
「児童・生徒質問紙調査」は、学習と関わりのある児童・生徒の意識や生活状況、またその意識や生活状況と学力の定着状況との関連を調査する。
「学校質問紙調査」は、学校における指導方法に関する取組や学校における人的・物的な教育条件の整備状況、またその取組や条件の整備状況と学力の定着状況との関連を調査する。
(2) 調査の対象学年及び実施学校数、対象児童・生徒数
「基礎的・基本的な事項に関する調査」(抽出・希望調査)
ア 都内公立小学校第4学年児童
| 実施数 | (参考)平成21年度実施数 | |
|---|---|---|
| 学校数 | 675校(抽出校200校、希望校475校) | 558校(抽出校200校、希望校358校) |
| 児童数 | 45,494名(全第4学年児童数の約48%) | 37,597名(全第4学年児童数の約40%) |
| 実施数 | (参考)平成21年度実施数 | |
|---|---|---|
| 学校数 | 352校(抽出校102校、希望校250校) | 288校(抽出校101校、希望校187校) |
| 生徒数 | 40,262名(全第1学年生徒数の約53%) | 32,788名(全第1学年生徒数の約44%) |
| 実施数〈都内公立小学校第5学年児童〉 | 実施数〈都内公立中学校第2学年生徒〉 | |
|---|---|---|
| 学校数 | 1,309校 | 629校 |
| 児童・生徒数 | 91,375名(全第5学年児童数の約97%) | 71,069名(全第2学年生徒数の約94%) |
(3) 調査方法及び調査教科・内容
| 調査形式 | 調査内容 | |
|---|---|---|
| 学力調査 | ペーパーテスト形式 | 国語、算数・数学の基礎的・基本的な事項、読み解く力に関する事項〈小学校:4教科、中学校:5教科、(国語、社会、算数・数学、理科、英語)〉 |
| 意識調査 | 質問紙形式 | 学習意欲、学習方法、生活環境等 |
| 指導方法、人的・物的条件整備等 |
(1) 「基礎的・基本的な事項に関する調査」平均正答率
| 小学校4年 | 中学校1年 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 国語 | 算数 | 国語 | 算数 | 数学 | |
| 都全体の平均正答率 | 80.0% | 69.1% | 63.0% | 66.6% | 61.7% |
○ 基礎的・基本的な事項についてはおおむね定着しているが、日常生活の中であまり使われていない漢字を読んだり書いたりすることや条件に即して考えることに課題があり、基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させ、これらを活用する力を育んでいく必要がある。
(2) 「基礎的・基本的な事項に関する調査『国語科』」の問題例とその結果 平均正答率(%)
「改訂版 児童・生徒の学習のつまずきを防ぐ指導基準(東京ミニマム)」との関連を示している。
漢字の読み書き
「文字(漢字)」についての段階的な指導p.27
主語と述語の関係、修飾語と被修飾語の関係が分かる。
「文のつくり」についての段階的な指導p.24

文と文との関係を正確に読み取り、適切に判断する。
「文章のつくり」についての段階的な指導p.25、「大体の意味をとらえる力」を育てる段階的な指導p.21
(3) 「基礎的・基本的な事項に関する調査『算数・数学科』」の問題例とその結果 平均正答率(%)
「改訂版 児童・生徒の学習のつまずきを防ぐ指導基準(東京ミニマム)」との関連を示している。
基にする量と比べられる量の関係を理解する。
「割合の見方」を育てる段階的な指導p.77
2量の関係を読み取り、表にまとめることができる。
「比例」の段階的な指導p.79
条件に合う必要な情報を読み取り、文字式に値を代入して考えることができる。
「式の意味の読み」の段階的な指導p.78、「文字を含む式の計算」の段階的な指導p.69
(1) 「読み解く力に関する調査」平均正答率
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○ 読み解く力に関する事項について、目的や条件に応じて情報を取り出すことや、複数の情報を相互に関係付け、その関係(法則や傾向等)を活用して問題を解決することに課題があり、これらを意図的・計画的に育んでいく必要がある。
(2) 「読み解く力に関する調査」(小学校理科)の問題例とその結果 平均正答率(%)
「必要な情報を取り出す力」:温度の変化を正しく取り出す。
「比較・関連付けて読み取る力」:それぞれの地面の温度の変化の様子を比較・関連付けて読み取る。
「意図や背景、理由を理解・解釈・推論して解決する力」:どこで地面の温度を測ったか、地点を特定する。
(3) 「読み解く力に関する調査」(中学校国語)の問題例とその結果 平均正答率(%)
「必要な情報を取り出す力」:文章を読み解いていく上で、重要な言葉(キーワード)を取り出す。
「比較・関連付けて読み取る力」:重要な言葉「感心したことがある」、その理由を読み取る。
「意図や背景、理由を理解・解釈・推論して解決する力」:文章を読んで、筆者の意図を解釈する。
(1) 学習に関する意識調査の状況(小学校5年、中学校2年)
(2) 意識調査の結果と「読み解く力に関する調査」結果との関連(小学校5年、中学校2年)
◇ 調べたことや考えたことを分かりやすく文章に書かせる指導と「読み解く力に関する調査」結果との関連(小学校5年、中学校2年)
(1) 基礎的・基本的な知識や技能の習得を図る指導の徹底
国語科を中心に、各教科の指導を通して、「主語と述語の関係」や「修飾と被修飾の関係」など基本的な文のつくりについて、より一層、指導の充実を図っていく必要がある。例えば、「主語と述語」の関係では、
主語を規定して述語を問う、
述語を規定して主語を問う、
主語と述語を問う等、系統的・段階的に指導を行っていくことが大切である。また、問題を解決する際に、「分かっていることは何か」、「問われていることは何か」を図や表にまとめ、整理して明確にするなど、指導の工夫を図っていく必要がある。
(2) 思考力・判断力・表現力等を育む言語活動の充実
本調査から、「調べたことや考えたことを分かりやすく文章に書かせる」指導を行っている学校の児童・生徒の方が、行っていない学校の児童・生徒より、平均正答率が高いという結果が出ている。
各教科等の指導に当たっては、児童・生徒が「自分で調べたことや分かったこと、考えたことを表現する」等の言語活動を意図的・計画的に設定したり、児童・生徒の多様な考えを引き出したり、思考を深めたりするような発問など指導を工夫していくことが大切である。
(3) 読み解く力を高める指導の充実
各教科等の指導に当たっては、
文章や図表、グラフ等から、解決に必要な情報を正確に取り出す指導、
取り出した複数の情報を、相互に比較したり、関連付けたりして読み取る指導、
読み取った内容を既存の知識や技能、経験と照らしながら、意図や背景、理由を推論して解決する指導を段階的に行っていく必要がある。そのためには、各教科等の指導計画に、〈必要な情報を正確に取り出す〉〈取り出した情報を比較・関連付ける〉〈問題解決を図る〉などの学習過程を位置付けていく必要がある。
(4) 言語環境の整備
教員自身が適切な言葉で話すこと、黒板などに丁寧で正確な文字を書くこと、教員と児童・生徒間の話し言葉が適切に使われること、児童・生徒相互の話合いが目的や状況に応じて適切に行われるような場面をつくること、目的に応じて多様なテキストや辞書等を活用した授業を行うことなど、日頃から言語環境を整備しておくことが大切である。
(1) 平成23年度「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の実施、調査報告書の作成及び説明会の開催
学習指導要領(平成20年告示)に基づいた基礎的・基本的な事項に関する内容及び読み解く力の定着状況を把握する。調査対象教科は、小学校は国語、社会、算数、理科の4教科、中学校は国語、社会、数学、理科、英語の5教科で実施する。対象学年は、小学校5年生、中学校2年生とし、全数調査で行う。併せて「児童・生徒質問紙調査」及び「学校質問紙調査」を実施する。実施日は、平成23年7月5日(火曜日)である。また、調査実施後、調査結果を基に分析を行い、授業改善の手だてを報告書(指導資料)にまとめるとともに、その内容について説明会を開催する。
(2) 「東京都学力向上施策検討委員会」の設置
東京都の学力向上施策に関して、有識者、区市町村教育委員会の代表、校長会の代表などから構成される検討委員会を設置するとともに、東京都教育委員会と区市町村教育委員会との連携を強化していく。
(3) 「授業改善推進プラン」による授業改善の一層の推進
「児童・生徒の学力向上を図るための調査」(都)及び「全国学力・学習状況調査」(国)における結果の分析等を行い、授業改善のポイントを示した指導資料を作成・配布し、説明会を開催することにより、各学校の「授業改善推進プラン」による授業改善を一層推進していく。
(4) 発展的な学習を推進するための教材の開発等
基礎的・基本的な内容を十分に身に付けている児童・生徒に対して、学習指導要領に示す内容の理解を一層深める学習や、さらに進んだ内容の学習について指導を推進するための教材開発等を行う。平成22年度は、小学校における国語、社会、算数、理科について開発を行い、指導資料を作成している。平成23年度は、中学校における国語、社会、数学、理科、英語について教材開発等を行う予定である。
(5) 習熟度別少人数指導実践研究推進校の指定
習熟の程度に応じた少人数指導における指導方法開発の研究指定校として、小学校及び中学校の計9校を指定し、研究の経過を含め、その成果を全都へ普及・啓発していく。
(6) 土曜日の活用に係る支援
土曜日における授業が円滑に実施できるよう土曜日の授業に係る基本的な考え方や留意点を周知する。また、土曜日に外部指導員を活用した補習を実施しようとする区市町村教育委員会に対してその経費の一部を補助していく。
別添 平成22年度 児童・生徒の学力向上を図るための調査 報告書(PDF形式:4.85MB)
| <問い合わせ先> 指導部義務教育特別支援教育指導課 03-5320-6841 |
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東京都教育庁総務部教育情報課 〒163-8001 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 電話 03-5320-6733 FAX 03-5388-1726
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