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平成19年12月12日
教育庁

第7期東京都生涯学習審議会の第一次答申について


 東京都教育委員会は、平成19年5月に、第7期東京都生涯学習審議会(会長:大橋謙策 日本社会事業大学学長)を設置しました。

 同審議会では、「新しい教育基本法の下で東京都が取り組むべき社会教育施策の在り方」の諮問に対し、喫緊の課題である「乳幼児期」を含めた家庭教育支援について、 先行的に検討を重ねてまいりました。

 本日、同審議会から、別添のとおり、第一次答申を受けましたのでお知らせします。
なお、同審議会は、引き続き諮問事項について審議を行い、平成20年中に最終的な答申をまとめる予定です。

  
  1. テーマ
      乳幼児期からの子供の発達を地域で支えるための教育環境づくりの在り方について
  2.   
  3. 第一次答申のポイント【別添 「概要」参照】
     
    (1)教育施策として、はじめて「乳幼児期」における教育支援のあり方を提示
     
    ・地域を基盤とした乳幼児期からの一貫した子供の教育支援の必要性
     
    (2)乳幼児期の子供をもつ親とその子にとって、信頼できる身近な人たちとの「社会的つながり」の重要性を指摘
     
    ・「社会的つながり」を促す「地域の担い手」の役割を重視
     
    (3)多様な主体が地域で有機的な連携を図るためのネットワークの構築について整理
     
    ・ネットワークを含めた教育環境づくりにあたって、必要な都教育委員会の役割を具体的に提案:《乳幼児期からの子供の教育支援プロジェクト》
  

<問い合わせ先>
教育庁生涯学習部計画課
電話 03-5320-6853


概要

第7期 東京都生涯学習審議会 第一次答申の概要について

 

1.第一次答申テーマ

 「乳幼児期からの子供の発達を地域で支えるための教育環境づくりの在り方について」

 

 2.第一次答申の概要

第1章 乳幼児期からの発達の重要性

<生涯にわたる人間形成の基礎が培われる「乳幼児期」>

 子供の成長は、「胎児期」(親にとって「妊娠期」)においてはじまり、「乳幼児期」において生涯にわたる人間形成の 基礎が培われるとされている。

 近年の医学、脳科学等の研究により、子供の情動の健全な発達のためには乳幼児期からの教育が重要であるとの科学的知見が示されている。

<学齢期・青少年期の子供の問題と乳幼児期の関係>

 一方、子供の生活実態を見ると、夜ふかしや朝食をとらない子供など基本的生活習慣の乱れや、子供同士の関わりや、異年齢集団での活動の減少による対人関係の希薄化など、成長・発達に関わる様々な問題が表れている。

 生活習慣の乱れや対人関係の希薄化は学童期からではなく、すでに乳幼児期から始まっている。

<「親」になることの困難さ>

 都市化、核家族化、少子化、地域における地縁的関係の希薄化などを背景に、親自身の「孤立化」や「子育て文化が継承されない」などの様々な問題が表れている。

 以上のことを踏まえ、乳幼児期からの子供の発達を促すための教育支援の在り方を明らかにすることが求められている。

 

第2章 家庭教育支援等の現状と課題
 
 (1)家庭教育支援施策の現状
 これまでの家庭教育支援施策は、成人教育の一環として、保護者(学童期の親)を対象に、学習機会の提供という形で実施されてきた。
(家庭教育施策の例)
・「家庭教育学級・講座」の実施(822学級、平成18年度実績)
 
 
(2)子育て支援施策の現状
 福祉分野における子育て支援施策は、平成2年の「1.57ショック」を契機として、少子化社会対策の一環として展開されてきた。
(子育て支援施策の例)
<地域におけるすべての子育て家庭への支援として>
・子ども家庭支援センター(56区市町村で設置、平成18年度実績)
・子育てひろば(都内527ヶ所で設置、平成18年度実績)
 
下へ
 これまでの行政対応の課題
 社会的に孤立している親への対応が不十分 右矢印 ・「カプセル型」「母子密着型」子育てを行う親たちへの対応
・子育てに関心の低い親への対応 など
     
 地域の実状や個々人の状況を踏まえたきめ細かな支援が不十分 右矢印 ・教育、医療、保健、福祉などの関連機関やNPO等民間の自主的な取組の連携が不十分
・乳幼児とその親のニーズを分析・対応する施策が必要
下へ これまでの行政対応の課題を乗り越える新たな手法
東京都教育委員会「子どもの生活習慣確立プロジェクト」の実施(平成18年度〜)
<趣旨>就学前の親を対象に、子供の望ましい生活習慣を確立する取組を求める事業
<手法>
・子育てに関心の低い親への対応 右矢印 学校と連携し、「就学児健診」や「入学説明会」の機会を活用したPR
     
・福祉、保健機関、医師会等との連携 右矢印 「普及資料」の配布で連携
 (作成した資料について、保健師、保育士等から大きな反響があった。)
 
・「子供の生活習慣確立の必要性」を科学的に説明できる論拠を提示
下へ
この手法を踏まえつつ、乳幼児期からの子供の教育支援の考え方を整理する必要性(第3章へ)

 

 
第3章 すべての「子供の発達」に向けたこれからの教育施策の基本的考え方
 
  1. 「家庭教育」が果たす機能について
      家庭教育はすべての教育の「出発点」と言われるように、子供がこの世に生を受けてからはじめて出会うのが親であり、親を通じて様々な世界を知ることになる。
      親が行う家庭教育には、外界との媒介者である親が子供の発達を妨げることなく伸ばし、またあるときは外界との媒介者として子供の行動を調整し、結果として子供自身の発達と社会化とを促す機能がある。適切な時期に、受容し、あるいは適切な関わりを親がおこなうことで、子供は「一人前」に育っていくのである。
  2. 子供の発達を支援するための施策の基本的考え方
      家庭教育の機能を高めることを通じて、子供の発達を支援するための施策の基本的考え方を提示すると以下のようになる。
     
    (1)「地域」を基盤に乳幼児期からの一貫した子供の教育支援の視点)
    ・乳幼児期から学童期に至るまでの一貫した子供の教育支援
    (特に、「妊娠期」、「乳幼児期」への対応を充実させる必要がある。)
    ・「将来の親になる次世代の育成」という観点から、小学校段階での乳幼児との交流や中高生への「育児体験」の必要性
     
    (2)親たちに「社会的つながり」を促すという視点
    ・地域における信頼できる身近な人たちとのつながりに注目する。
    ・地域の中で親同士が交流し、親たちと地域の支援者たちが多様なつながり(社会的つながり)をつくることが重要
    <社会的つながりが乳幼児をもつ親にもたらす効果>
    1「情緒」的な安定がもたらされる。(例:声かけ、共感的助言など)
    2問題解決に必要な「情報」がもたらされる。(例:子育てサークルの紹介、医療機関等の紹介など)
    3必要な「手助け」が直接行われる。(例:子供を一時的に預かってくれるなど)
    4「評価」を通じて、親が自分の子育てに自信を深める。(例:子育ての先輩から肯定的な評価を得るなど)
     
    (3)社会的つながりを促す「地域の担い手」
    ・地域の中で多様かつ持続的な「社会的つながり」を創り出す役割を「地域の担い手(ファシリテーター)」が果たすことで、地域住民の力が活かされ地域力が高まり、親自身の学びを支援することになる。
     
    (4)子供の発達を軸に据えた地域における多様な主体のネットワークの形成
    地域における多様な主体のネットワーク図。広域的社会資源によるネットワーク、地域の公共機関によるネットワーク、子供と親の社会的つながり。
    「子供と親の社会的つながり」について
    <乳幼児期から子供と親の「社会的つながり」の形成>
     乳幼児期の子供を持つ親の「社会的孤立」を防ぐ。
     地域において、多様な人びとと出会い、親同士も交流し、「共感的関係」を築いていく。
     その「共感的関係」づくりを積極的に進めるための「地域の担い手」の存在が重要
    右矢印
    「社会的つながり」の形成

     

     地域における「社会的つながり」が形成されることで、地域力が高まる。
    「社会的つながり」づくりと行政からのアプローチの双方が相互補完的な関係を築きながら十分に機能することで、結果として行政機関や施設への活用機会が高まるという効果が期待できる。
 

 

 
第4章 乳幼児期からの「子供の発達」を地域で支えるために都教育委員会に求められる役割
 
「乳幼児期からの子供の教育支援プロジェクト」の提案
取組について
地域における多様な「社会的つながり」を目指し、1科学的知見を踏まえ、活用場面を想定した教材開発と2人材養成に取り組む
(1) 乳幼児期からの子供の教育支援の必要性を全都に普及させる取組
・「科学的知見」に基づく乳幼児期からの子供の発達に関する教材作成
・乳幼児期からの子供の教育支援の必要性を全都にPRするためのしくみづくり
(ウェブサイトの開設、広報活動の充実)
注「子どもの生活習慣確立プロジェクト」の取組を参考に実施する
(2) 乳幼児期からの子供の教育支援の取組を地域に定着させるための取組
・地域における先行的取組の実施
・地域で子供の育ちを支える担い手の養成

第7期東京都生涯学習審議会の第一次答申 印刷用(PDF形式:488KB)

 

「第7期東京都生涯学習審議会の第一次答申について」概要版 印刷用(PDF形式:194KB)

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