平成19年6月14日
教育庁
平成18年度「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果について
東京都教育委員会は、児童・生徒一人一人の各教科の学習指導要領に示された目標や内容の実現状況を把握し、それを指導方法の改善に結び付けることにより「確かな学力」の一層の定着と伸長に生かすことを目的として、平成19年1月16日に実施した「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果を報告書にまとめましたので、お知らせします。
1 調査の内容
(1) 調査の対象学年及び対象児童・生徒数
ア 都内公立小学校第5学年児童全員
| |
対象数 |
実施数 |
備考 |
| 学校数 |
1,329校 |
1,329校 |
|
| 児童数 |
89,876名 |
87,137名 |
受検率約97% |
イ 都内公立中学校第2学年生徒全員
| |
対象数 |
実施数 |
備考 |
| 学校数 |
643校 |
638校 |
第2学年が在籍していない学校等を除く |
| 生徒数 |
72,207名 |
67,401名 |
受検率約93% |
(2) 調査方法及び調査教科・内容
| 調査方法 |
調査教科・内容(実施順) |
| 質問紙調査票 |
学習に関する意識 |
調査票 (ペーパーテスト形式) |
小学校 |
国語・算数・社会・理科の学力定着状況、問題解決能力等
|
| 中学校 |
国語・数学・英語・社会・理科の学力定着状況、問題解決能力等 |
(3) 問題作成の基本方針
| ア |
質問紙調査票では、学習に関する児童・生徒の意識や生活状況を調査する。 |
| イ |
ペーパーテスト形式による調査では、基礎的・基本的な知識や技能はもとより、自ら学ぶ意欲や思考力・判断力・表現力などの資質や能力までも含めたものを調査する。 |
| ウ |
学習評価の基本的な観点である「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」に基づき、ペーパーテストでは評価しにくいとされている観点についても可能な限り評価できるよう、調査内容を厳選する。また、質問や解答の形式、状況設定等を工夫するなど、新たな視点からの評価問題の作成に努める。 |
| エ |
各教科の学習で身に付けた知識や技能、思考力や判断力等を活用して、問題解決を図るために必要な諸能力を観点として作成した「問題解決能力等に関する調査」を実施する。 |
(4) 実施日
平成19年1月16日(火曜日)
2 調査結果の分析と考察
(1) 「確かな学力」の定着を図るための調査結果概要
今回の調査における小学校第5学年、中学校第2学年の学力定着状況は、総合的にはおおむね良好である。
<平均正答率(%)>
| |
国語 |
算数・数学 |
英語 |
社会 |
理科 |
| 小学校 |
71.9 |
76.8 |
− |
81.9 |
73.7 |
| 中学校 |
69.5 |
70.2 |
78.2 |
70.5 |
68.6 |
ただし、個々の観点別の学力定着状況では、各教科とも改善すべき課題が見られた。
(2) 「確かな学力」の伸長を図るための調査(問題解決能力等に関する調査)結果概要
| 評価の観点 |
問題を発見 する力 |
見通す力 |
適用・応用 する力 |
意思決定 する力 |
表現する力 |
総合 |
| 小学校 |
86.5 |
71.5 |
64.5 |
68.5 |
83.8 |
71.0 |
| 中学校 |
91.9 |
83.5 |
71.5 |
61.3 |
66.5 |
73.4 |
総合的には、おおむね良好である。ただし、個々の観点別には課題が見られた。
(3) 学習に関する意識調査の結果概要
ア 授業の楽しさ・内容理解に関する意識
- 授業が「楽しい」「少し楽しい」、授業の内容が「よく分かる」「どちらかといえば分かる」と回答した児童・生徒は、小学校約80%、中学校約60%であった。
イ 授業の内容が分かる要因について回答した割合が高い項目
- 小学校…「先生の教え方がていねい」「出された宿題をきちんとやっているから」(各教科)
「自分で調べたり、考えたりする授業」(国語)
「算数の問題にはいろいろな解き方があるから」(算数)
「世の中のできごとを知ることが好き」(社会)
「観察や実験の授業」(理科)
- 中学校…「先生の教え方がていねい」「自分で調べたり、考えたり、体験したりする授業」(各教科)
「読書が好き」(国語)
「数学の問題にはいろいろな解き方がある」(数学)
「塾や家庭で教えてもらっている」「授業でALTが教えてくれる」(英語)
「観察や実験をした後に、しっかりまとめをする授業」(理科)
「世の中のできごとを知ることが好き」(社会)
ウ 日常の生活面や行動面等について
- 読書量…「毎日少なくとも30分以上」 小学校35.9% 中学校26.4%
- 朝食…「必ずとる」「たいていとる」 小学校94.0% 中学校88.8%
- 学校に持っていく物の準備…「確かめる」「たいてい確かめる」 小学校82.7% 中学校77.6%
- 身の回りのことを自分でしようとしているか
…「自分でしている」「たいていしている」小学校82.0% 中学校81.9%
- 根気強さ…「そう思う」「どちらかというとそう思う」
小学校60.3% 中学校51.0%
- ボランティア活動…「経験あり」 小学校95.9% 中学校76.4%
- 将来…「人のために役立ちたい」「どちらかと言えばそう思う」
小学校82.2% 中学校77.6%
(4) 意識調査結果とペーパーテスト結果との関連
ア 日常の生活面や行動面等と各教科の平均正答率との関連
「学校に行く前に朝食を食べるか」の問いに対する回答と各教科別の平均正答率
| 小学校 |
平均正答率(%) |
| 国語 |
社会 |
算数 |
理科 |
| 必ず食べる |
73.4 |
83.3 |
78.9 |
75.1 |
| たいてい食べる |
66.7 |
77.4 |
69.7 |
68.8 |
食べない
ことが多い |
62.8 |
74.0 |
64.2 |
65.5 |
| 食べない |
61.3 |
71.5 |
61.9 |
64.4 |
|
|
| 中学校 |
平均正答率(%) |
| 国語 |
社会 |
数学 |
理科 |
英語 |
| 必ず食べる |
71.9 |
73.4 |
73.6 |
71.2 |
81.1 |
| たいてい食べる |
65.6 |
65.7 |
64.8 |
64.3 |
73.8 |
食べない ことが多い |
61.1 |
61.2 |
58.6 |
60.9 |
68.4 |
| 食べない |
60.1 |
60.7 |
56.5 |
59.6 |
66.4 |
|
イ 日常の生活面や行動面等と問題解決能力等に関する調査の平均正答率との関連
身の回りのことを自分で しようとしているか。 |
問題解決能力等に関する調査 平均正答率(%) |
| 小学校 |
中学校 |
| している |
73.3 |
75.1 |
| たいていしている |
71.8 |
74.6 |
していないことが多い |
66.9 |
70.6 |
| しない |
57.1 |
57.3 |
|
| |
将来、人のために 役に立つ仕事がしたい。 |
問題解決能力等に関する調査
平均正答率(%) |
| 小学校 |
中学校 |
| そう思う |
73.5 |
75.7 |
| どちらかといえばそう思う |
70.9 |
74.7 |
| どちらかといえばそう思わない |
67.5 |
70.2 |
| そう思わない |
61.5 |
67.6 |
|
3 授業改善の視点
(1) より分かる授業や楽しい授業の創造
- 児童・生徒が学んだことについて筋道を立てて考えたり確かめたりする時間等を確保し、内容の定着をより図っていくこと。
- 学習のめあて(目標)を明確にし、学習意欲を喚起する導入場面や教材を工夫すること。
(2) 主体的な学習活動の工夫
- 児童・生徒が自分で調べたり、考えたりする活動の機会を充実すること。
- 体験的、問題解決的な学習活動を工夫すること。
- 教科の特性を生かした多様な学習活動を工夫すること。
(3)個に応じた指導の充実
- 一人一人の習熟の程度に応じた指導を充実すること。
- つまずきを見付け、解決できるようにする指導を充実すること。
- 補充的な学習、発展的な学習など、少人数指導を活用した組織的な指導を充実すること。
4 都教育委員会の今後の対応
(1) 授業改善の視点の周知・啓発
ア 授業改善研究推進校を中心に施策を展開し、全都への成果の普及・啓発
- 授業改善研究推進校において授業改善研究協議会を実施
- 「授業改善アドバイザー」を年間10回程度派遣し、日常的な授業改善PDCAサイクルの
より一層の充実と外部評価システムの開発の推進
<小学校…平成19・20年度指定、中学校…平成18・19年度指定>
| 江東区立南陽小学校 |
大田区久原小学校 |
足立区立千寿桜小学校 |
| 昭島市立共成小学校 |
東村山市立大岱小学校 |
西東京市立谷戸第二小学校 |
| 墨田区立寺島中学校 |
北区立赤羽中学校 |
荒川区立尾久八幡中学校 |
| 武蔵野市立第三中学校 |
町田市立真光寺中学校 |
狛江市立狛江第三中学校 |
イ 全都対象の授業改善施策の推進
- 指導主事による「特別訪問」等における区市町村、学校への支援
- 「授業改善実践事例集」の普及・啓発
ウ 指導資料の作成・配布
(2) 平成19年度「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の実施(予定)
ア 調査内容
- 「学習に関する意識調査」
- 「確かな学力」の定着を図るための調査「基礎的・基本的な事項に関する調査」
- 「確かな学力」の伸長を図るための調査「問題解決能力等に関する調査」
イ 調査対象
- 「問題解決能力等に関する調査」及び「学習に関する意識調査」
都内公立小学校5年生・公立中学校2年生(全員)
- 「基礎的・基本的な事項に関する調査」及び「学習に関する意識調査」
都内公立小学校4年生・公立中学校1年生(抽出)
ウ 実施日
- 「問題解決能力等に関する調査」及び「学習に関する意識調査」
平成20年1月17日(木曜日)
- 「基礎的・基本的な事項に関する調査」及び「学習に関する意識調査」
平成20年1月10日(木曜日)から21日(月曜日)の中で学校の状況に応じて決定