エンターキーを押すと、ナビゲーション部分をスキップし本文へ移動します。

ここから本文です。

平成29年7月27日
教育庁

平成30年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告について


 東京都教育委員会は、本年5月に「平成30年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会」を設置して、平成29年度入学者選抜の検証を行う中で、これまでの入学者選抜方法の成果と課題を明らかにするとともに、平成30年度入学者選抜以降の改善策等について検討してきました。
 この度、別添のとおり「平成30年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書」を取りまとめたので、お知らせします。
 なお、報告書の概要及び東京都教育委員会の今後の取組は、以下のとおりです。

1 報告書の概要

項目 概要
(1)推薦に基づく選抜の改善 <推薦に基づく選抜全般>
  •  平成25年度入学者選抜で改善を図った推薦に基づく選抜は、各中学校における教科指導の充実や授業改善につながっている。各中学校では、自分の考えを根拠とともに分かりやすく伝えようとしたり、相手の意見を踏まえた発言をしたりするなど、生徒の学ぶ姿にも変化が表れている。
<集団討論・個人面接、小論文・作文>
  •  各高等学校では、集団討論や小論文・作文等の検査において、テーマの設定や評価方法、評価基準の設定についての検証を重ね、自校の特色に合致した受検者を選抜できるようになってきている。一方で、各検査のテーマ等の設定が、多様な意見を引き出すものとなっていないなどの状況が一部にみられる。今後も、思考力、判断力、表現力等、学力検査ではみることのできない受検者の多様な能力を評価することができるよう、各検査の実施方法や内容等について一層の工夫と改善を図る必要がある。
(2) 学力検査に基づく選抜の改善
<制度変更による応募状況等への影響>
  •  平成28年度入学者選抜から、選抜方法の共通化・簡素化を図るため、全日制課程の第一次募集・分割前期募集において、原則として5教科での学力検査の実施や、学力検査の得点と調査書点の比率、調査書点の算出方法等の変更を行った。これらの制度変更により、入試制度が生徒や保護者にとって理解しやすくなっている。特に実技教科に対する生徒や保護者の関心が高まるとともに、生徒の学習態度が改善された。さらに、中学校の教員の評価に対する意識と評価の精度の向上にもつながっている。
  •  各高等学校の選抜方法の改善は、各学校が求める生徒が入学していることから、おおむね適切であると判断できる。面接等の検査は、各学校が求める生徒を選抜する方法の一つとして有効であるため、面接を必要とする学校においては、面接等の時間を可能な限り確保できるよう、入学者選抜業務の効率化を図る必要がある。
<外国籍の受検者に対する特別措置>
  •  外国籍の生徒とともに日本語指導が必要な日本国籍の生徒に対しても、ルビ等の措置を実施する必要がある。その際、日本国籍の生徒の応募資格の確認方法などについて、十分に検討する必要がある。
  •  辞書の持込み及び学力検査時間の延長の措置については、辞書の点検時間等に課題は残るが、一定の効果があると判断し継続して実施する。措置の効果については引き続き検証を行う。
  •  在京外国人生徒対象(特別枠)の選抜において、高等学校入学後の学習についていくための学力を評価する必要がある。面接等に加えて学力検査を実施する場合、日程、教科など、十分な検討が必要である。
  •  外国籍の生徒の応募資格の審査に関わる業務を円滑かつ学校間で審査に差が出ないように実施するため、東京都教育委員会が一括して審査を実施する方向で調整する。
(3) 再発防止・改善策に基づく採点・点検の取組
<平成29年度入学者選抜における採点・点検>
  •  平成28年度入学者選抜から、島しょを除く全ての共通問題による学力検査において、記号選択式問題の解答形式にマークシート方式を導入した。あわせて、デジタル採点システムの導入・改善により、採点時間を短縮するとともにボーダーライン上下一定範囲の点検を徹底した。
  •  平成29年度入学者選抜において学力検査を行った、第一次募集・分割前期募集163校、分割後期募集・第二次募集27校に対して、他校同士の相互点検、都教育委員会による点検を実施したところ、採点の誤りは53校で213件確認された。この採点誤りによる追加合格はなかった。今後も、誤りの原因を分析するとともにボーダライン上下一定範囲の点検及び他校同士の相互点検を継続していく。
(4) その他の制度
<本人得点の開示及び学力検査における答案の開示>
  •  平成29年度入学者選抜から、受検者や保護者に対して高等学校が個別に直接開示する仕組みに変更した本人得点の開示については、平成29年3月末の段階で開示の請求件数は約7,000件に上った。また、平成27年度入学者選抜から、再発防止・改善策の一つとして導入した学力検査における答案の開示については、平成29年3月末の段階で約5,000件に上った。
     この開示は、採点誤りによる不合格を防ぐ目的で導入した簡易開示であったが、新年度に入っても申請が数多くあるため、高等学校における様々な業務と重なり、十分な対応ができない状況にある。開示請求を求める者の8割以上を合格者が占めており、開示時期を合格者と不合格者とで別に定める必要がある。
<インフルエンザ等罹患者に対する受検機会の確保>
  •  これまで、受検者がインフルエンザ等に罹患した場合は、受検することはできず、分割募集や転学の募集等により受検機会を確保してきた。しかし、この方法では、志願者は希望する高等学校を受検できないため、受検機会を十分に確保したとは言えない。
  •  平成30年度入学者選抜からの実施に向けて、インフルエンザ等の罹患により、第一次募集で不受検であった学校の受検機会を確保する仕組みを構築する。
     インフルエンザ等の罹患による不受検者に対応した選抜を、分割後期募集・全日制第二次募集と同日程で実施する。選抜方法は、分割後期募集・全日制第二次募集の共通問題を使用した、国語、数学、外国語(英語)の3教科の学力検査及び面接等を基本とし、詳細について引き続き検討する。
<東京都立高等学校入学者選抜の応募資格の一部変更>
  •  近年、家庭の在り方が多様化しており、特別の事情により、両親とともに都内に転入することが難しい場合がある。このことに配慮し、平成30年度入学者選抜から、都外在住者の応募資格については、現行の「保護者が父母である場合は父母とともに入学日までに都内に転入することが確実な者」を前提とするが、真にやむを得ない事情により、父母のどちらか一方が都内に転居できない場合は、審査をした上で応募資格の有無を判断する。

2 東京都教育委員会の今後の取組

 上記の報告を踏まえ、本年9月に、平成30年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目で詳細を定める。平成30年度入学者選抜では、本人得点の開示及び学力検査における答案の開示の仕組みの改善を行うとともに、インフルエンザ等罹患者に対する受検機会の確保に向け、分割後期募集・全日制第二次募集の時期に検査を実施する。
 また、都外からの受検者等の応募資格の一部を変更することから、平成30年度入学者選抜が適切に実施できるよう、中学校、高等学校及び関係機関に対する変更点等の周知を徹底する。
 あわせて、中学生や保護者に対しても、改善の趣旨や変更点について、十分な周知を行っていく。


 別添 平成30年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書(PDF形式:2.00MB)


<問合せ先>
教育庁都立学校教育部高等学校教育課入学選抜担当
電話 03-5320-6745