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東京都教育ビジョン(第3次)を策定しました!

「東京都教育ビジョン」とは?
 「東京都教育ビジョン」は、東京都における「教育振興基本計画」として位置付けられ、東京都が目指すこれからの教育の方向性を示したものです。
 「東京都教育ビジョン(第3次)」では、「知」「徳」「体」「学校」「家庭」「地域・社会」を柱に、10の取組の方向と23の主要施策を体系化しました。今後、この体系に基づく各施策を推進することにより、教育基本法の基本理念の実現、東京都教育委員会の教育目標の達成を目指しています。
基本理念
 社会全体で子供の「知」「徳」「体」を育み、グローバル化の進展など変化の激しい時代における、自ら学び考え行動する力や社会の発展に主体的に貢献する力を培う。
五つの視点
  • ■ 一人一人の個性や能力に着目し、最大限に伸ばすとともに、自己肯定感を高めます。
  • ■ 「知」「徳」「体」の調和のとれた生きる基盤を培います。
  • ■ 変化の激しい社会を生き抜く思考力・判断力・表現力や創造力等を育てます。
  • ■ 社会の一員としての自覚と行動力、社会の発展に貢献しようとする意欲を高めます。
  • ■ 学校、家庭、地域・社会が相互に連携・協力して子供を育てます。

東京都が目指すこれからの教育 ~「東京都教育ビジョン(第3次)」~

「東京都教育ビジョン(第3次)」で、平成25年度からの5年間を中心に、今後、中・長期的に取り組んでいく基本的な方向性と、主な施策についてご紹介します。

取組の方向1
学びの基礎を徹底する
主要施策1
基礎・基本の定着と学ぶ意欲の向上
  • ・学力調査の実施・分析に基づき、学校や児童・生徒一人一人の課題とその解決策を明確にし、習熟度別少人数指導の充実を図るなど、授業改善を推進します。
  • ・小学校低学年からの反復学習により、基礎・基本の確実な定着を図ります。
  • ・都立高校において、学校の設置目的に応じた「都立高校学力スタンダード」を設定し、その基準に到達するまで指導を行います。
取組の方向2
個々の能力を最大限に伸ばす
主要施策2
思考力・判断力・表現力等を育成し、時代の変化や社会の要請に応える教育の推進
  • ・「言葉の力」を鍛え、高校生の思考力・表現力を高めるため、首都圏の高校生を対象とする「高校生書評合戦首都大会」を開催します。
  • ・理数系の知識や技能を競うコンテストの開催などを通して、理数好きの子供たちの裾野を拡大し、科学技術で世界をリードする人材を育成します。
主要施策3
国際社会で活躍する日本人の育成
  • ・世界に伍(ご)して活躍する人材を育成するとともに、新たな教育モデルを提起するため、都立小中高一貫教育校の設置に向けて準備を進めます。
  • ・「次世代リーダー育成道場」や留学生の受入れの拡充、国際バカロレア認定校を目指す取組、JICAとの連携等により、世界を舞台に活躍する人材を育成する取組を推進します。

取組の方向3
豊かな人間性を培い、規範意識を高める
主要施策4
人権教育の推進
  • ・全公立学校において人権教育の一層の充実を図ります。
  • ・社会教育関係職員・関係団体指導者等を対象に、人権学習の普及啓発等を実施します。
主要施策5
道徳心や社会性を身に付ける教育の推進
  • ・都独自の道徳教育教材の活用等により、都立高校を含む全公立学校において発達段階に応じた道徳教育を推進します。
  • ・全都立高校で、「生活指導統一基準」に基づいた指導体制を構築し、生徒の規範意識の向上や公共の精神の醸成を図ります。
  • ・異年齢・異世代との交流等の社会体験活動、自然体験活動、ボランティア等の社会貢献活動を推進します。
  • ・集団生活を通じて社会性や協調性を養う取組の一つとして、寮の在り方を検討します。
取組の方向4
社会の変化に対応できる力を高める
主要施策6
社会の変化に自律的に対応できる力の育成
  • ・インターネットの適正利用等、情報モラル教育を推進します。
  • ・課題解決に主体的に取り組めるようにする環境教育や適切に社会生活を営むための消費者教育等を推進します。
  • ・様々な社会問題について考え、正しい判断に基づいて行動する力を養います。
主要施策7
社会的・職業的自立を図る教育の推進
  • ・小・中・高等学校の発達段階に応じたキャリア教育を推進します。
  • ・都立高校生が実社会において自立して生きていくために必要な能力や態度を身に付ける教育プログラムを開発・展開するなど、普通科高校におけるキャリア教育を推進します。

取組の方向5
体を鍛える
主要施策8
体力向上を図る取組の推進
  • ・「総合的な子供の基礎体力向上方策(第2次推進計画)」に基づき、社会全体で子供たち一人一人の基礎体力の向上を図ります。
  • ・「東京都統一体力テスト」の結果等を活用し、子供たち一人一人の体力・運動能力に応じて体力向上を図る取組を推進します。
  • ・オリンピアン・パラリンピアンの学校派遣やオリンピック・パラリンピックに関する学習を推進します。
主要施策9
競技力向上を図る取組の推進
  • ・全国大会や関東大会などのより高い目標に向けて競技力を向上させ、都立高校におけるスポーツ全体の競技力の底上げを図ります。
取組の方向6
健康・安全に生活する力を培う
主要施策10
健康づくりの推進
  • ・「都立学校における健康づくり推進計画」に基づき、科学的知見を踏まえた健康教育を推進します。
  • ・教科横断的な指導により、学校の教育活動全体を通じて食に関する指導を推進します。
  • ・アレルギー疾患に適切に対応する体制を確立します。
主要施策11
安全教育の推進
  • ・全都立高校において、一泊二日の宿泊防災訓練を実施するなど、「自助」「共助」の実践力を高める取組を推進します。
  • ・区市町村教育委員会と連携し、安全教育に関する授業の実践研究を行い、安全教育の一層の充実を図ります。

学校

取組の方向7
教員の資質・能力を高める
主要施策12
優秀な教員志望者の養成と確保
  • ・大学等との連携を強化し、教員としてふさわしい資質と能力を持った人材を養成するとともに優秀な人材の確保に努めます。
主要施策13
現職教員の資質・能力の向上
  • ・職層に応じた研修や海外派遣研修等により、教員の資質・能力の向上を図ります。
  • ・体罰の根絶や部活動の一層の振興を図ります。
  • ・メンタルヘルス対策の充実を図ります。
主要施策14
優秀な管理職等の確保と育成
  • ・優れた教育管理職を確保するとともに、困難な教育課題への対応力の向上を図ります。
取組の方向8
質の高い教育環境を整える
主要施策15
都立高校改革推進計画を着実な推進
  • ・「都立高校改革推進計画第一次実施計画」の着実な実施による改革を推進します。
主要施策16
東京都特別支援教育推進計画を着実な推進
  • ・「東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画」の着実な実施により特別支援教育の一層の充実を図ります。
主要施策17
子供たち一人一人に応じた手厚い支援体制の構築
  • ・全公立小・中・高校にスクールカウンセラーを配置し、いじめや暴力行為などの問題行動等の未然防止や早期発見・早期解決を図ります。
  • ・いじめ問題に関する総合的な対策を拡充します。(事例分析による調査研究、第三者的相談機能の充実等)
  • 主要施策18
     学校の組織力の向上
    • ・小・中学校の校務改善の推進、都立高校の組織マネジメントの向上を図ります。
    主要施策19
    学校の教育環境整備
    • ・非構造部材を含む学校施設の耐震化、ICT機器の活用、校庭の芝生化を推進し、学校環境の整備を行います。

    家庭

    取組の方向9
    家庭の教育力向上を図る
    主要施策20
    家庭教育を担う保護者への支援体制の充実
    • ・福祉の専門家等により家庭を支援する仕組みを、全小・中学校に導入します。
    • ・乳幼児期からの子供の教育について、医学的な知見を踏まえた啓発を行います。
    主要施策21
    仕事と生活の調和による保護者の教育参加の推進
    • ・企業をはじめとした社会全体におけるワーク・ライフ・バランスの普及・啓発を推進します。

    地域・社会

    取組の方向10
    地域・社会の教育力向上を図る
    主要施策22
    地域等の外部人材を活用した教育の推進
    • ・多様な地域人材を活用して、地域の実情や学校のニーズに応じた教育支援活動を行います。
    • ・放課後等に、退職教員等による補充学習や発展的な学習を行う取組を推進します。
    主要施策23
    地域における多様な活動の充実
    • ・「心の東京革命」を一層推進し、親と大人が責任を持って、子供たちに正義感や倫理観、思いやりの心を育み、人が生きていく上で当然の心得を伝えていきます。
    • ・「放課後子供教室」「学童クラブ」等の設置の促進を図るとともに、地域において、幅広い教養が学べる現代版の寺子屋と言える取組を検討します。

「東京都教育ビジョン(第3次)」で取り組んでいきたいこと

東京都教育委員会は、本ビジョンに基づき、学校や区市町村、保護者や地域・社会の皆様の協力を得ながら、東京の教育を推進していきます。「『東京都教育ビジョン(第3次)』で取り組んでいきたいこと」をテーマに、今後の教育にかける思いや願い、期待などについて、聞きました。
木村 孟委員長の写真

委員長 木村 孟

 東京都教育委員会では、本年4月の定例会において、東京都教育ビジョン(第3次)を策定いたしました。このビジョンは、教育が目指すべきほぼ全ての事項を網羅しているといっても過言ではなく、 10の取組の方向と23もの主要施策から構成されています。
 このような膨大ともいえるビジョンを打ち出したのは、東京都教育委員会が我が国の将来を担う子供たちに極めて大きな期待をかけているからです。
 その中で、私が特に重要であると考えているのは、取組の方向1の主要施策として掲げられている「基礎・基本の定着と学ぶ意欲の向上」です。基礎・基本をしっかりと身に付けるためには繰り返し学習が必要であり、繰り返し学習を可能にするには子供たちが高い学習意欲を備えていなければなりません。新学習指導要領についての議論が行われた中央教育審議会の教育課程部会では、子供たちに高い学習意欲を持たせるには、基本的生活習慣の確立が必須であるとの議論が度々出され、答申にもそのことが盛り込まれました。子供たちに基本的生活習慣を身に付けさせるためには、まず家庭がその重要性を認識し、行動しなければなりません。そのような意味からも、取組の方向の9として、「家庭の教育力向上を図る」を打ち出しました。都民の皆様の特段のご理解をお願いする次第です。
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委員 内館 牧子

 いつから日本は、こんなふうになってしまったのかなァ…と考えることがあります。おそらく、多くの教職員、保護者の方々もそう思われることがあるのではないでしょうか。
 ただ、これまでも人々は何とか日本をよくしようと考え、改革を繰り返し、試行錯誤を続けてきたのだと思います。それが、残念なことによい結果に結び付かず、「こんなふうになった」ところも多々ある気がします。 ならば、気が付いた時点で悪いところをせき止め、よい方向に変えていこうとすればいいことです。
 東京都教育ビジョン(第3次)は、どれも重要な施策ですが、私はまず、
 ・ 学びの基礎を徹底する
 ・ 規範意識を高める
 ・ 家庭の教育力の向上を図る
という三点を、最重要項目として挙げたいと思います。
 かつて、日本の子供は勤勉でよく学び世界でもトップの学力を持っていました。礼節を重んじ、高い道徳心を抱いていました。それらは、学校のみならず、家庭での教育、躾(しつけ)によるところも大きかったのです。
 それらが、希薄になるにつれ、日本は「こんなふうになった」ように思います。今こそ、やり直し、歩き直し、日本を生き直させる時だと考えています。
竹花 豊委員の写真

委員 竹花 豊

 子供は次代を担う社会の宝である、と言われますが、今の大人社会はそのように振舞っているとは思えません。例えば、社会は、子供たちが情報の洪水におぼれず、また、ゲームやメールなどのとりこにならないように十分な措置を講じていません。親もそのことを防ぎえているか疑問です。また、学校にも社会や家庭の様々な問題が持ち込まれ、対応に狼狽(ろうばい)し、消耗している先生も少なくありません。学校は非難されがちです。
 確かに、公教育を受ける子供たちの学力の幅は大きく、また、多様な環境で育っています。先生の経験や力量も一様ではありません。学校で全ての子供たちの個々の状況に即して、誰もが満足するよう対応することは至難の業です。
 それでも学校は、子供たちを一人前の社会人に育てる有力な舞台です。ここをどう作っていくか、それは社会全体の共同作業であり、大人社会の責任を果たす上で大きな手がかりです。私も含め全ての教育関係者はもちろん、親も地域社会も力を重ね合うように努力することが必要です。個々の問題を大人の知恵を出し合って解決し、また、社会の変化をよく見て子供たちのために汗をかき合うなど、誠実で真剣な大人の姿は、子供たちにとって目指すべき大人のモデルでしょう。そんな大人の中でこそ子供は安心して成長していくのだと思います。
乙武 洋匡委員の写真

委員 乙武 洋匡

 今年4月に出された東京都教育ビジョン(第3次)では、10の取組の方向と23の主要施策が提示されています。もちろん、そのどれもが重要なものですが、ここでは人権教育の推進について、私なりの意見を申し上げたいと思います。
 私自身は両手両足のない身体障害者として生まれてきましたが、自尊感情を育みながら成長することができました。それは、両親や学校の先生方はもちろん、クラスメイト一人ひとりが私を仲間と認め、受け入れてくれたことによるところが大きいと感じます。つまり、私が成長する過程において、人権が尊重されてきたからこそ、今の自分があるのだと思うのです。
 しかし、社会に目を向ければ、私のように恵まれた環境で育った障害者はむしろ少数派かもしれません。周囲から理解されず、配慮されることもなく、つらい幼少期を過ごしてきたという方も少なくありません。また、障害だけでなく、言語や国籍、宗教、さらにはセクシュアリティーにおける少数派であることで、肩身のせまい思いをしている方も多くいるのが現実です。
 こうした状況を少しでも改善すべく、まずは教育現場が一人ひとりの人権を尊重することのできる環境であるべきと考えています。ご家庭でも、折に触れて、「人権とは何か」、話し合う機会を設けていただければ幸いです。
山口 香委員の写真

委員 山口 香

 ロンドンオリンピックにおいて日本は過去最多である38個のメダルを獲得しました。選手が努力・精進したことは言うまでもありませんが、強化が効率的・効果的に行われる環境を整えたことが好結果につながったといえます。一人の選手が力を発揮するためにどれだけ多くの人と力が必要とされるでしょうか。一見、無駄にみえることであっても、実は勝敗を左右することもあるのです。完璧に準備をしたからといって金メダルが獲れるわけではありませんが、可能性を少しでもあげていくのが指導者やサポーターの仕事です。
 教育において何が成功で何が失敗かは言明できません。人生においての成功も同様です。教育に携わる私たちが目指すことは、子供たちが将来に向かってチャレンジできる可能性を少しでも広げてあげる環境をつくることだと思います。学力も体力も国際感覚を身に付けることもそれ自体が重要なのではなく、彼らが「やりたいこと」を実現するための助けになるものです。また、東京は「やりたいこと」を自分がその気になれば叶(かな)えることができる可能性を多分に有しています。東京だからできること、東京だから挑戦できることを強く意識しながら取り組んでいきたいと思っています。