教育庁報No.518

平成18年(2006年)8月7日発行
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都立学校の学校設定教科・科目「日本の伝統・文化」カリキュラム

 都教育委員会は、日本の伝統・文化理解教育推進事業の一環として、都立学校の学校設定教科・科目「日本の伝統・文化」のカリキュラムを開発しました。
 学校設定教科・科目「日本の伝統・文化」は、平成19年度から各学校が独自の判断で設定するとともに、生徒が主体的に判断して選択するものであり、履修単位数は2単位です。

【カリキュラムの概要】

第1章 学校設定教科・科目「日本の伝統・文化」について

 「日本の伝統・文化」の基本的な考え方として、日本の伝統・文化には、「長い年月を経て、日々の中で様々に形を変えて伝わってきたもの」、「現代において評価され価値のあるもの」及び「新たな文化となって未来へと連綿と受け継がれて生き続けるもの」とがあり、それらが互いに重なり合って過去から未来への流れを形成していることなどを示している。

第2章 教育課程編成の基本方針

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1 教育課程編成の視点

(1)日本の伝統・文化への理解を深め、郷土や国に対する愛着や誇りをはぐくむこと。
(2)思考力、創造力及び表現力を育成すること。
(3)学校の創意工夫を生かし、特色ある教育活動を進めること。

2 重点事項

(1)体験的な学習を積極的に取り入れ、実感の伴った伝統・文化の理解を深めさせる。
(2)外部の人材や施設等を活用し、「本物」にふれることで学習意欲を喚起させる。
(3)伝統・文化の背景を理解させるとともに、実生活とのかかわりについて考えさせ、生かすことができるよう指導する。
(4)発表や討論を取り入れ、生徒が学んだことを自分の言葉で表現できるよう指導する。
(5)新たな伝統・文化を主体的に創造し、発信できるような指導の工夫を行う。

第3章 「日本の伝統・文化」の目標及び指導内容

1 目標

 国際社会に生きる日本人としての自覚と誇りを養うとともに、多様な文化を尊重できる態度や資質をはぐくむ。

2 指導内容

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(1)日本人の心に関すること
  1.  日本人の自然に対する繊細な感覚や人間としての細やかな礼儀・作法を理解するとともに、生活の中で生かす工夫をし、他者に説明・発信すること。
  2.  言葉や仕草の中に込められた独特のよさや美しさを味わうとともに、自らもそれらを表現すること。
  3.  郷土や地域社会の中で今も受け継がれている慣習や、人と人との絆などについて理解を深めること。
  4.  囲碁・将棋、茶道、華道、武道などにかかわる伝統的な考え方を理解し、そこに込められた日本人の精神文化を探ること。
  5.  地域社会の歴史を学ぶことを通してそれぞれの文化の違いに気付き、文化の創造や発信に生かすこと。
(2)衣食住に関すること
  1.  日本の衣食住の総括的な変遷を調べたり、その特質を感じ取ったりしながら、日本の伝統・文化を伝承する意欲と態度を身に付けること。
  2.  和装のもつ豊かな美に興味をもつとともに、行事や四季折々に着る和服の着付けや歩き方などの基礎を身に付けること。
  3.  和食や和食器などの道具に込められた人々の思いや心を理解すること。
  4.  日本の住空間が自然とのかかわりから発展してきた歴史、自然との調和を考えてつくられてきた過程に対する理解を深め、文化遺産として尊重する態度を身に付けること。
  5.  文化を支えてきた人たちの技や道具のすばらしさに気付くとともに、技の継承や道具の工夫など、伝統・文化を尊重し発展できる能力を身に付けること。
(3)芸術や芸能に関すること
  1.  日本の芸術や芸能の特質や変遷を理解し、文化の継承と創造への関心・意欲を高めること。
  2.  古典から現代までの文学・美術・音楽作品、郷土の伝統芸術や芸能の多様性を理解し、誇りをもって他者や国際社会に説明したり、紹介したりできる能力を身に付けること。
  3.  多様な芸術や芸能にふれることから、表現や創造へと発展的に取り組む態度を身に付けること。
(4)保存や修復など「伝承」に関すること
  1.  伝統・文化を保存・修復する意義を理解し、日本の伝統・文化を伝承する意欲と態度を身に付けること。
  2.  古い技術に学びながら、新しい時代の文化の発展や創造に貢献しようとする意欲と態度を身に付けること。

第4章 教育課程編成の実際

1 年間指導計画の作成に当たって

 次の(1)から(4)の学習活動をバランスよく組み合わせたり、学校や地域社会の特色を生かした視点を強調したりすることにより、創意工夫ある年間指導計画を作成する。

(1)身近な地域社会の文化理解を重視すること。
(2)それぞれの伝統・文化を調査したり体験したりすること。
(3)異文化理解や文化比較を取り入れること。
(4)生徒が、学習したことを表現したり伝え合ったりする学習を取り入れること。

2 「日本の伝統・文化」の評価の観点

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(1)日本の伝統・文化への関心・意欲・態度
 自分の考えをもち、進んで日本の伝統・文化に親しむとともに、文化を継承する喜びを味わおうとしている。
(2)創造への工夫
 連綿と受け継がれてきた伝統・文化を評価し、新たな文化を創造したり、文化の在り方を工夫したりしている。
(3)発表・交流の能力
 日本の伝統・文化のよさや美しさを発表したり、国際的な視野に立って交流したりしている。
(4)鑑賞の能力
 日本の伝統・文化のよさや美しさなどを感じ取ったり、味わったりするとともに、日本の伝統・文化をはぐくんできた歴史、風土、慣習などのよさに気付いたり、価値を理解したりしている。

第5章 年間指導計画例

 合計6編の年間指導計画例を掲載し、単元ごとの時数、学習目標、学習活動、留意点と主な評価の観点を示している。週2単位時間(2単位時間かける年間35週いこーる70時間)とし、年間を通して学習する。
1 日本の伝統・文化概論
2 和の心
3 未来に伝える日本の伝統・文化
4 江戸から東京、そして現代日本の文化
5 情報・メディアと日本の伝統・文化
6 和の響き

第6章 単元例(指導案例)

 「年間指導計画例」の中にある単元のうち、27編の指導案例を示している。その内容は、「単元について」「単元の目標」「指導体制・形態等」「評価規準」「指導計画」から成る。
1 鳥獣戯画、北斎漫画からアニメへ
2 江戸・東京を歩く
3 箸と椀
4 モダン都市東京の生活文化
5 ジャパンパーティーの企画演出
6 日本の遊び
7 「道」に学ぶ
8 生活に生き続ける江戸の文化
9 道具と工具
10 和の響きを聴く
11 将棋に学ぶ
12 文化としての日本の音
13 色、形、文様−風呂敷に学ぶ(1)−
14 おる、つつむ、結ぶ−風呂敷に学ぶ(2)−
15 折り紙を折る−野口宇宙飛行士による「宇宙鶴」プロジェクト−
16 身の回りの情報・メディア
17 和からジャパンブランドの創出
18 祭りの魅力
19 現代の芸術にみる日本の伝統・文化
20 出版文化の誕生を探る
21 いろいろな文字を読んでみよう
22 世代をつなぐ日本のうた
23 事件・情報とメディア
24 儀式における音・音楽
25 日本の住まい
26 日本的な感性を味わおう−手作り和楽器に挑戦!−
27 ダンスと和楽器による総合的表現

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