このたび、平成19年度第2回東京都教育モニターアンケート「『東京都教育ビジョン(第2次)中間まとめ』について」の集計結果をとりまとめましたので、お知らせいたします。
東京都教育委員会では、平成16年4月に「東京都教育ビジョン」を策定しました。この「東京都教育ビジョン」では、21世紀の東京ひいては日本の創造的発展を支える人間の育成の視点に立ち、目指す人間像や家庭・学校・地域・社会に期待される役割を明らかにしております。
「東京都教育ビジョン」の提言を受け、それに関わる施策が着実に実施されていますが、さらに教育改革を進めていくためには、具体的な施策を明示し、計画的に実行に移していくことが必要です。このため、東京都教育委員会では「東京都教育ビジョン(第2次)」を策定することとし、その「中間まとめ」を作成しました。
今回実施をした「中間まとめ」に関するアンケートの集計結果については、今後、具体的な施策に関する推進計画も含めた「東京都教育ビジョン(第2次)」を策定する上での参考とさせて頂きます。
問2-1 「家庭の教育力の向上」について
核家族世帯が多いことや地域の人間関係の希薄化等の状況を踏まえると、家庭教育を支援することが求められており、この取組が必要と考えています。
「中間まとめ」19ページに記述した課題以外にも課題があると思われる場合は、その課題の内容やそう思われる背景などをお書きください。
【意見の例】
- 親が基本的な倫理観や規範意識、社会的マナーを身につけていないのが現状の問題点であり、これでは子供のしつけ、教導を託すべくもない。「親学」を構想・企画・組織すべきではないだろうか。
- 家庭教育の一つの課題として、自分の手、足、頭を使って生活する能力という意味での生活力を養うために、「お手伝い」をあえて強調することを提案したい。
- 親自身がある種の目的を持ち勉強していく事が必要。勉強している姿を見たら、子供は自分で進んで勉強するようになる。
- 教育現場は、親よりも社会や企業への働きかけをし、その意識を変えていくことが必要なのではないか。「ゆとり教育」とは、子供よりもむしろ親にこそ必要なキーワードだと感じる。
- それぞれの家庭に何をどこまで教師が介入するのか、またできるのかが難しいように思われる。丸投げされる可能性もあれば、ひどく拒絶される可能性も考えられる。
問2-2 「幼稚園・保育所における教育的機能の向上」について
小学校1年生の教室における、学習に集中できない、教員の話を聞けず授業が成立しない等の「小1問題」が依然課題となっていることから、就学前の段階からのこの取組が必要と考えています。
「中間まとめ」22ページに記述した課題以外にも課題があると思われる場合は、その課題の内容やそう思われる背景などをお書きください。
【意見の例】
- 幼稚園、保育所、小学校とが教育プログラム等を連携して研究開発することが必要である。
- 生活指導補助者として、小学校で新入1年生が学校のシステムに馴染むように手助けをする経験をしたが、「小一問題」のような問題点は、時折見られる事はあっても、それらは担任の先生と共に解消できた。
- 兄弟が少ないことから、少し年上のお兄さん、お姉さんが身近にいないことによるロールモデルの不在が課題である。
- 学習に集中できない子供について、特別支援が必要な場合があるのではないかと思うことがある。しかし、幼稚園や保育園では判断ができる教員が少なく、また保護者の協力も得にくい。
- 地域の敬老施設などを利用して、地域の高齢者と、6歳未満児との交流を通して、就学前の子供達に対応していくことが必要と思う。
問2-3 「すべての都民参加による地域教育力の向上」について
学校教育においては、高度な実技・技能を必要とする部活動の指導などでは教員だけでの対応には限界がある場合がある。一方で、都民や企業の地域社会貢献への希望にこたえる環境や連携体制が十分でないことなどから、この取組が必要と考えています。
「中間まとめ」25ページに記述した課題以外にも課題があると思われる場合は、その課題の内容やそう思われる背景などをお書きください。
【意見の例】
- 学校教育でかかえている問題を地域に開示し援助を請うことも必要ではないか。個人情報保護の問題もあるが、公共という観点にたちある程度の情報開示をすれば、保護者の理不尽な要求などかなり問題が解決でき、地域教育力が向上すると思う。
- 子供会や町内会といった行事を増やすことも、一つの方法ではないか。学年の違う子供達が接するほか、保護者同士のコミュニケーションの促進にもつながると思う。
- 以前は、子供を叱咤激励する頑固爺・頑固婆がいたものだが、今の子供はしかられ方にも慣れていないと思う。
- 私は母校の課外クラブ活動をボランティアとしてサポートしているが、学校の行動力の無さを感じる。校長や顧問教諭などからは本気で改善する意志が感じられない。この様な状況では都民や企業などの「協力してサポートしたい」とする意志を阻害する結果を招くと思う。
- 地域教育力の向上といった形で地域の方たちの協力を得る場合に、学校側は「協力していただいてありがたい」という気持ちを過度に持ち過ぎ、教育支援側が主役になってしまうことがある。
問2-4 「教員の資質・能力の向上」について
学校教育は、子供の教育に直接携わる教員に負うところが極めて大きく、教員の大量退職期を迎える時期に、現職教員の資質・能力を向上させることが重要であることから、この取組が必要と考えています。
「中間まとめ」28ページに記述した課題以外にも課題があると思われる場合は、その課題の内容やそう思われる背景などをお書きください。
【意見の例】
- 教員の能力よりも、適性かどうかを見極めることが重要だと思う。「社会人経験者」を採用することがやはり必要なのではないかと思う。
- 教員数の増加が必要である。そうすれば、教員の質を上げる研修や講習に交代で出席しやすくなる。多忙な教育関連事務を整理する等のことが、教員の心身にゆとりをもたらし、本来の教育活動の効力を高めることに繋がる。
- 教員に求める仕事量が多すぎる。他機関との連携によって教員が本来の仕事がしやすい環境を作る必要がある。
- 退職教員を活用すべきである。現職教員とチームを組ませ、授業を展開させる。現職者は、退職者から学ぶことが大きいと思う。
- 教員の能力の向上については教育現場だけの指導ではなく、一定期間教育現場から離れた民間企業への出向等も有効だと考える。
問2-5 「特色ある学校づくりの推進」について
東京都の公立高等学校では中途退学をする生徒が全国平均より多く、魅力ある学校づくりが重要であることから、この取組が必要と考えています。
「中間まとめ」31ページに記述した課題以外にも課題があると思われる場合は、その課題の内容やそう思われる背景などをお書きください。
【意見の例】
- 中途退学をする生徒が多いという問題は、中学校時の生活から端を発している。受け入れ側の体制作りもそうだが、送り出す側の中学校に対しての取り組みを都としても実施すべき。
- 中途退学が多いというのは、多分、退学してもその後の自分の行き先が沢山あり、選べることが出来るからではないか。退学ではなく、もっと簡単に転校できる制度を取り入れて、自分の将来を見据えることが出来ないまま入学した生徒を救済する方法を考える方が、人材育成面から考えると良いと思う。
- 義務教育でない高校での中退は無視しても良いと考える。 今の学校教育よりも1日も早い実社会での教育の方が本人にとっても有効であり、日本の社会全体にとっても有益である。
- 特色ある学校だけでなく、特色ある教員がいてもいいのではないか。あの先生がいるから、あの先生に教えてほしいから、あの学校へ行く、とか。
- ものづくり人材の中には、モノそのものの教育だけでなく、芸術・文化面も含める必要があると思う。
問2-6 「外部専門家の教育活動への積極的な活用」について
特色ある教育活動において外部専門家等を活用することにより、児童・生徒の多様なニーズにこたえることができることから、この取組が必要と考えています。
「中間まとめ」34ページに記述した課題以外にも課題があると思われる場合は、その課題の内容やそう思われる背景などをお書きください。
【意見の例】
- 外部専門家が皆、優れたスキルを持っているわけではない。外部専門家は、教育現場に必要であるが、ガイドラインのようなものを検討・作成して、限りある授業時間数を有効に活用するべきと考えている。
- どんなにいいものを取り入れても、生徒が関心を持たなければどうにもならない。学校側だけで決め付けないで、生徒にその意向や考え方を問い、それに沿った対応が必要であろう。
- 「いずれ社会に出て行く」ことを念頭に置いて、外部専門家の活用を実施していただきたい。その際にはある分野に偏らず、様々な分野で、社会との関わりを重視し、活用していただきたい。
- 学校には定年間近の先生から新任の先生まで多様な年齢層の教師がいるのに、「外部専門家」の活用を考えることがおかしい。特別な分野での専門家は必要だが、昔は、遊びも勉強も先生が指導してくれた。
- 外部専門家の一層の「内部」化が必要と思う。「外部」のままでは、学校側も遠慮があるし、本人に意欲があっても、どこまで学校内のことに踏み込めるのか不明瞭なため、中途半端になってしまう可能性がある。
問2-7 「特別な支援が必要な子供の教育の充実」について
都立の特別支援学校や小・中学校の特別支援学級に在籍又は通級している児童・生徒や、日本語指導が必要な外国人児童・生徒は、通常の学級の児童・生徒に比べ必要となる支援の内容が多様であることから、この取組が必要と考えています。
「中間まとめ」36ページに記述した課題以外にも課題があると思われる場合は、その課題の内容やそう思われる背景などをお書きください。
【意見の例】
- 障害者に対して、より関心が高まり、これまで見過ごされてきた発達障害にも手を差し伸べる方向にあるのは喜ばしい。外国人児童・生徒に対する施策も同様である。これに関連して、日本人帰国子女への受け入れ対処について問題はないのだろうか。
- 特別な学級は必要だが、ほかの日本人の児童・生徒と触れ合う機会を失うことにならないように配慮する必要がある。
- 特別支援教育の概念からいっても、通常学級に在籍する子のことが触れられていないのはなぜなのか。特別支援学校・学級における支援のさらなる充実と同時に、やはりすべての子供に対して、必要な支援の程度に応じて対応していく姿勢が基本だと思う。
- たまたま障害をもった子供に対しての教育は、特別な配慮を持って行なうのは当然であるし、国際社会の一員として、外国人に対する教育も日本人に対する教育も同じ扱いで行なうのが当然である。
- 外国人生徒の日本語指導には、大学生のボランティアを活用したらよいと考える。
問2-8 「子供の安全・安心の確保」について
登下校中や放課後などに子供が犯罪に巻き込まれたりする事件の多発、ブログなどへの書き込みによるいじめ、また、南関東における大規模地震の発生の可能性など、子供の安全・安心の確保が求められていることから、この取組が必要と考えています。
「中間まとめ」39ページに記述した課題以外にも課題があると思われる場合は、その課題の内容やそう思われる背景などをお書きください。
【意見の例】
- インターネット等で誹謗中傷などの書き込みをした人を素早く特定できるようにしてほしい。そのような書き込みに対する罰則も厳しく設けてほしい。
- インターネットへの書き込みを監視する専門家が必要ではないか。各学校での対応に任せていると学校の負担が大きい。
- 有害情報から子供を守る必要性を大変感じている。携帯電話やパソコンのインターネットや、違法広告、路上の広告においても問題がある。
- 子供が犯罪に巻き込まれる事件が多いので、地域の住民が積極的に見守ることが必要だと思う。子供がいない世代の住民がどの程度関わってくれるか、が課題だと思う。
- 学校は一時避難場所や帰宅支援ステーションとして位置づけられているので、耐震改修促進計画を前倒ししてもっと真剣に取り組む必要がある。思い切った予算措置が必要である。
問2-9 「児童・生徒の『確かな学力』の向上」について
中学生になっても小学校で習得すべき内容が十分身に付いていない生徒がいることや、東京都教育委員会や国の学力に関する調査では、知識を活用する力に課題があることが明らかになっていることから、この取組が必要と考えています。
「中間まとめ」42ページに記述した課題以外にも課題があると思われる場合は、その課題の内容やそう思われる背景などをお書きください。
【意見の例】
- 教員が「学ぶ」ことの大切さを真剣に子供に教えてほしい。「できなくても大丈夫」ではなく「できないと将来困るから頑張りましょう」と、勉強の大切さをアピールしてほしい。
- 小学校1、2年の大切な時期に、いかに学習意欲を身につけるかが大事である。今はとにかく宿題が少ない。先生によって、ではなく学校全体で見直してほしい。
- 理数系を目指す学生の減少傾向がある。特に理数系の学習においては、習熟度別の指導の充実に注力すべきである。
- 「力量別の教育仕組み」を作るべきだと考える。現在の考えは「悪平等」を目指してしている。
- 情報関係の実験・体験には、技術系の仕事を定年退職した方のパワーを利用すべきと考える。
問2-10 「子供の心と体の健やかな成長」について
子供だけでなく大人も規範意識の低下が問題となっていることや、子供の体力・運動能力が30年前に比べ低下傾向にあることなどから、この取組が必要と考えています。
「中間まとめ」45ページに記述した課題以外にも課題があると思われる場合は、その課題の内容やそう思われる背景などをお書きください。
【意見の例】
- 自己を大切にする以上に、「社会・世の中に役立つ人となれ」というような他人を思いやる気持ちを育てていくべきだと思う。校庭や公園等で「あれはダメ、これはダメ」ではなく大人の監視下でもっと遊ばせてやってほしい。
- 幼児期に子供同士のぶつかり合いが減ってしまった。その為、ケンカ→仲直り、が子供同士でできない子が多いと感じている。小さいうちに色々な人間関係を学ぶことで、大きくなってからの「いじめ、暴力」を減らすことができると考える。
- 体育には、体力の強化はもちろんだが、規律、礼儀、節制、克己、思いやりなど道徳訓練などの要素が含まれている。団体競技などで協調性や、責任感、健全な競争心が養われるのではないかと思う。
- 「体力が低下するとどんなデメリットがおきるのか」ということを、ポスターや、資料、講演会などを用いて保護者向けにアピールし、保護者の気持ちを変えていくことが必要ではないか。
- 規範意識の低い大人の子は、より規範意識の低い大人になり、悪循環の始まりである。
問2-11 「子供の社会的自立を支援する取組の推進」について
就職後数年で離職する若者が多いこと、ニート・フリーター問題も依然解消していないことや、障害のある生徒の自立と社会参加に向けた支援も求められていることから、この取組が必要と考えています。
「中間まとめ」49ページに記述した課題以外にも課題があると思われる場合は、その課題の内容やそう思われる背景などをお書きください。
【意見の例】
- ニート・フリーター問題については、企業への申し入れと同時に企業の社会的責任と義務を明らかにしていく取り組みが必要。
- 「自己啓発・キャリア形成の考え方・方法」などの理解を促進・支援するための講座を開設する。その推進母体は、たとえば、都や経営者協会などの共催が考えられよう。
- 職業体験やインターンシップの有意義さは今後も充実させていくべき。小学生にも漠然とであっても職業体験が出来る、テーマパーク「キッザニア」のような所で、疑似活動をさせるのも良いかもしれない。
- もっとも得意な分野を伸ばす授業があっても良い。学校の勉強はできなくても社会に役立つような得意分野を持っている子が必ずいると思う。
- 基本的な問題は、親の躾・教育が甘かったことによるのではないか。
問2-12 「首都東京・国際社会で活躍する日本人の育成」について
アメリカや中国に比べ日本の子供たちの自信や自尊心が低いことが指摘されている。また、社会のグローバル化が進む中では、自分が日本人であるという自覚や帰属意識が必要であることから、この取組が必要と考えています。
「中間まとめ」52ページに記述した課題以外にも課題があると思われる場合は、その課題の内容やそう思われる背景などをお書きください。
【意見の例】
- 中立、公正な目を養うことは大切であるが、日本のもつ伝統、歴史、産業、科学技術等の良いところ、優れたところを教育の場で大いに強調し、随所で取り上げていくこと。それが日本人としての自覚を促し、自信に繋がり、日本に止まらず広く世界にも羽ばたける人材づくりに役立つと思う。
- 国際社会もさることながら、国内、自分の国の国土・国民を考える教育も必要
- 子供が小さいころから、親が子供の行動を認めほめるようにする。親の期待が大きくて、子供をほめる親が少なくなっている。ほめることは、子供に自信をもたせる。
- 自尊心の低さは、他人を大切にする感覚の低さにつながるのではないだろうか。自分の主張をできることも大切だが、自分の身の回りの人間を思う心を育むことが大切である。しかし、アンケートの数字の低さは、謙虚さの強い国民性の現れとも言える。一概に批判もできないと思うし、難しいと感じる。
- この点の外国との比較はそんなに重要だとは思わない。むしろ、これまでの大人が日本に近代史について時間をかけて教えて来なかった事を反省すべき。縄文や弥生の事よりも近代社会史を世界的な視野できちんと教える事が先決と思う。
問3 「中間まとめ」全般について御意見がありましたら、お聞かせください。その際、どの部分に関する意見かが分かるよう、本文中のページ数を御記入のうえ、御意見をお寄せください。
【意見の例】
- アグレッシブで、文部科学省の動向を待つことなく、積極的に都民の教育を推進していこうという、強い意志と意思を感じる。そうした姿勢は、昨今の「都立高校改革」に、具体的に表れている。この二十年で、都立学校は「生き返った」と思う。
- 読んでいて感じたことは、施策と書きながら、具体的施策が何も書かれていない内容には驚きである。会社の企画書では全く通用しない提案書という印象だ。
- 「教育ビジョン」としては全くその通りだが、余りにも総花的過ぎる感じがする。「画に描いた餅」にならない様に、具体的施策に期待する。
- 小学生の子供を持つ親としては、「早期実施」を希望する。
- 平成16年の「教育ビジョン」が、どのように、どの程度実現されたのか、数値目標、%目標がなくスタートしているから、レビューにしようがない。評価指標なくして、進捗状況など、計測のしようがないではないか。何かの数値目標からスタートしていけば、年々より詳細に、具体的な評価指標が考案され、都民との共通対話が成り立つ。
- 社会総がかりの教育再生は日本の未来を輝かしいものにするために、大変大事なものだ。教育が未来を左右するとも言える。後世に伝えなくてはならないことをしっかりと伝承し、日本人として国と国民を誇りに思い、社会に役立つ人を育てていこうと、教育者も親も考え、子供たちに接していきたいものである。