「日本の伝統・文化理解教育推進事業について」へ


伝統・文化ニュース

第13号 平成24年6月発行(教育庁指導部指導企画課)

東京都教育ビジョン(第2次)平成20年5月
取組12 首都東京・国際社会で活躍する日本人の育成
重点施策27 日本の伝統・文化に対する理解の促進
平成24年度東京都教育委員会主要施策

・日本の伝統・文化及び国際理解教育の推進
平成24年度指導部の関連事業
 日本の伝統・文化及び国際理解教育推進委員会の開催
  我が国や郷土を愛する態度等を基盤とした国際理解教育の推進を図るため、東京都教育委員会と区市町村教育委員会との連携を密にするとともに、研究協議を通じて日本の伝統・文化及び国際理解教育に関わる教育指導についての理解と認識を深める。
 伝統・文化ニュースによる日本の伝統・文化理解教育に係る優れた取組の普及・啓発
  伝統・文化ニュースを年2回作成・配布し、優れた取組の普及・啓発を図る。
 日本の伝統・文化及び国際理解教育シンポジウムの開催
  優れた取組を実施している学校による実践発表、留学生等によるパネルディスカッション及び有識者を招へいした講演等を通して、各学校における日本の伝統・文化及び国際理解教育の一層の充実を図る。

都立学校における平成24年度 「日本の伝統・文化」学校設定教科・科目設定校は次の50校52課程です。
都立足立東高等学校、都立荒川商業高等学校、都立葛飾総合高等学校、都立一橋高等学校
都立六本木高等学校、都立白鷗高等学校、都立忍岡高等学校、都立浅草高等学校
都立大森高等学校(定時制課程)、都立蒲田高等学校 、都立つばさ総合高等学校
都立美原高等学校、都立晴海総合高等学校、都立日本橋高等学校、都立大江戸高等学校
都立杉並総合高等学校、都立荻窪高等学校、都立調布北高等学校、都立三宅高等学校
都立八丈高等学校、都立田園調布高等学校、都立深沢高等学校、都立世田谷総合高等学校
都立国際高等学校、都立大島海洋国際高等学校、都立桐ヶ丘高等学校
都立飛鳥高等学校(全日制課程・定時制課程)、都立王子総合高等学校
都立総合芸術高等学校、都立田柄高等学校、都立豊島高等学校、都立稔ヶ丘高等学校
都立町田総合高等学校、都立町田工業高等学校、都立若葉総合高等学校
都立片倉高等学校、都立第五商業高等学校、都立東久留米総合高等学校
都立東久留米総合高等学校(全日制課程・定時制課程)、都立多摩高等学校
都立秋留台高等学校、都立青梅総合高等学校、都立上水高等学校、都立城北特別支援学校
都立墨東特別支援学校、都立白鷺特別支援学校、都立中央ろう学校、都立練馬特別支援学校
都立八王子東特別支援学校、都立多摩桜の丘学園、都立府中けやきの森学園

1 中央区における囲碁の授業

 中央区は江戸以来の伝統や文化が息づいている街です。子供たちは、地域理解学習で地域の歴史や暮らし、文化について学ぶほか、相撲に取り組んだり、新年に羽根つき大会を行ったりと、伝統的な行事や文化に多く触れる機会があります。こうした背景の中、矢田区長から、「伝統的な囲碁は、子供たちに集中力や思考力、礼儀作法を身に付けさせ、人生の大局観を養うのによいのではないか」との提案を受け、中央区教育委員会では、日本棋院から講師を招き、囲碁の授業を中央小学校、明石小学校、常盤小学校及び阪本小学校の4校で行うことにしました。

 平成24年5月25日 中央区立常盤小学校 6年1組(25名)総合的な学習の時間において、日本棋院−水間俊文七段による囲碁の授業がありました。
 1 囲碁の歴史
 2 囲碁の作法
 3 囲碁って何?
上記3点について講義を受けた後、児童はペアになって、対局しました。

ほとんどの児童が、囲碁は初体験
ほとんどの児童が、囲碁は初体験
紙の碁盤を使って囲碁のルールを学ぶ児童
紙の碁盤を使って囲碁のルールを学ぶ児童
水間俊文七段の個別指導を受ける児童
水間俊文七段の個別指導を受ける児童

児童は、事前に配布された囲碁のテキストを予習して授業に臨んでいました。
「囲碁の豆知識(囲碁−日本棋院)から一部抜粋」
 囲碁を打つことを対局するといいます。
 囲碁を置く盤は、碁盤といって、強くなると、大きな碁盤で打ちます。
 碁石は、黒石181個、白石180個、計361個で1セットです。
 伝統的な碁石は、那智黒(なちぐろ)という石から、白石は大きなハマグリの貝からできています。
 白石は、目の錯覚で黒石より大きく見えるので、小さめに作っています。
 碁石を入れる器を碁笥(ごけ)といいます。
 囲碁を打つプロの人を棋士といいます。
 棋士の中には、小学生でプロになった人や、90歳を過ぎても現役の人がいます。

 齋藤優校長は、10時間の囲碁の学習を通して、児童が集中力、思考力や判断力、先を見通す力等を身に付け、相手に礼節を尽くす態度を養うことができればと期待していらっしゃいました。
 また、今後は、地域や保護者の囲碁に精通した人々との関わりをもたせる機会を設定したり、高齢者施設への慰問等において囲碁の対局の輪を広げたりしていきたいと語っていらっしゃいました。

2 府中市における茶道の授業

府中市立府中第三中学校の実践−放課後茶道教室の取組−

 府中市立府中第三中学校では、「茶道を通して日本の伝統・文化を学ぶ」「日々の生活に生かせる礼儀作法を身に付ける」ことを目標に据え、参加を希望する生徒約20人を対象とし、年間20回、午後4時から午後5時30分まで、外部専門家を講師に招き、和室で茶道教室を開いています。

【活動の内容】
 1 茶道の基本動作及び礼儀作法の理解と実践
 2 「お茶会」を催し、亭主・半東・客の作法を学習
<割り稽古>
 基本動作である、「歩き方」「座り方」「立ち方」「おじぎの仕方」「薄茶のいただき方」等を学びます。亭主と客が互いに思いやる心をもてるように、本教室では、次のような初歩的な心得を学んでいます。
 1 茶室はきれいに掃除され、畳は雑巾で拭いて清められているので、お茶席に入る時は、足袋に履き替えます。洋服の場合は、白い靴下に履き替えます。
 2 お茶の道具に傷を付けないよう、身に付けているアクセサリーなどは外します。
 3 礼を大切にすることで、互いに思いやりの心をもってもてなし、もてなされます。
<茶道の歴史の理解>
 生徒は、講師の講話を通して400年にわたる茶道の歴史について、講師からの講話を通して理解します。下の写真は、平成24年6月7日(木曜日)第1回目の茶道教室の様子です。

外部講師から作法を学ぶ生徒たち
外部講師から作法を学ぶ生徒たち
袱紗(ふくさ)のたたみ方を講師に習って初体験
袱紗(ふくさ)のたたみ方を講師に習って初体験
副校長先生にお茶をお出しする生徒
副校長先生にお茶をお出しする生徒

【期待される成果】
「時を守る」、「場を清める」、「礼を正す」の三つの意味の実践を通してお茶の心を深く理解し、身に付けることができます。
「時を守る」−相手を大切にする心は、相手の時間も大切にする行動につながります。
「場を清める」−心を静め、互いが心地よいもてなしのために、環境を清め、整える行動につながります。
「礼を正す」−相手を大切にする心は、相手を尊重する心につながります。


 教室の成果として秋に実施される学習発表会において野点を催し、保護者等の参観者(毎年、約100人)にお茶をふるまっています。野点を通して、教室で学んだお茶の心と技能の実践をより確実なものとしています。生徒は、茶道教室での実習を通して、日本の伝統的な礼法や文化を学ぶとともに、他人に対する思いやりの心も育んでいます。