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第3回 東京都心身障害教育改善検討委員会 議事要旨

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最終更新日:平成30年(2018)2月28日

1.日時

平成14年10月24日(木曜日) 15時~17時

2.場所

東京都第二庁舎31階・27特別会議室

3.出席者(委員・順不同・敬称略)

上野委員長、大南副委員長、西川委員、斉藤委員、吉澤委員、山内委員、米谷委員、 濱崎委員、小坂委員、坂田委員、斎藤委員、近藤委員、越智委員、佐島委員、津田委員、 杉原委員、石橋委員、野村委員、有留委員、比留間委員、臼井委員、石川委員、時任委員

4.議事内容

(1)開会

(2)委員自己紹介(前回欠席者)

(3)事務局より資料説明

  • 第2回改善検討委員会議事要旨
  • 「改善の理念及び改善の指針」についての意見整理
  • 「改善の理念及び指針」(まとめ案)
  • 都立盲・ろう・養護学校特殊教育教諭免許状関連資料(前回委員より提出要請資料)

※傍聴者入場

(4)意見・提言等(○は委員の発言、△は事務局)

「改善の理念、改善の指針について」(事務局より説明)

  • △ 「理念」については加除訂正なし
  • △ 指針について
    • 1の□囲みの中は変更なし。例示について、「外部の専門家との連携」「専門研修の拡充」を明確にした。
    • 2の□囲みは、「教育環境の整備を推進する」と明確にした。例に、「専門性の高い人材の育成」「心身障害学級教員と盲・ろう・養護学校教員との交流」を加えた。
  • ○ 今後の論議で、各指針の例が加えられたり、修正が有り得るか。
  • △ そのような考え方で進めていきたい。
  • ○ 1、2は「心身障害教育」で3、4は「特別支援教育」となっている。1、2は盲・ろう・養護学校と限定し、3、4は心障学級、通常学級まで広げて考えてよいか。
  • △ その通り。
  • ○ 3の「特別支援教育センター化」は1、2とは別に論議するのか。
  • △ 特別支援教育の中には盲・ろう・養護学校も入っているので心配はない。
    • 「都立盲・ろう・養護学校教育の充実に向けて」(資料8)の説明(事務局)
  • △ これは改善の指針1に関わる充実である。
    • 1の「個別指導計画に基づく教科指導、自立活動の指導、職業に関する指導等の充実」については4つの具体策を示した。(3)については、青鳥養護学校を中心に「就業支援に関する実践研究事業」の研究指定を行った。この成果を各校に広めたい。(4)については、ソフトを作成し教育委員会のサーバーで各学校をつなぎ実践の共有化を図っていく研究を始めている。
    • 2の「児童・生徒の障害の重度・重複化に対応する、障害種別の異なる複数の教育課程の編成」については、ここに示したのは例である。もっと多様性は有り得る。
    • 3の「障害の多様化に対応する中・高一貫の教育課程の編成」については,平成9年12月の「聴覚障害教育検討委員会」の答申にも盛り込まれている。
    • 4の「障害の多様化に対応する教育課程の類型化」はいくつか考えられる。
       「盲・ろう・養護学校の専門性向上推進モデル事業」(小金井養護、中野養護)には自閉症の子の指導も含めている。高機能自閉症等について、文京区立駒本小学校が研究開発学校である。
    • 5の「その他」については、チャータースクールを念頭においている。将来に向けて、本委員会等でふれておく必要がある。
  • ○ ろう学校の推進構想が進んでいない。ろう学校の子供は約600名で、毎年20名減少している。教育内容の充実のためにはある程度の数が必要である。学力が落ちている。子供の数の確保は教員増につながる。各教科1名の教員では資質の向上にも課題がある。保護者は、都内にひとつでも保護者が納得できる学校ができることを望んでいる。
  • ○ 中・高一貫の教育についてだが、高だけのろう学校も生徒は多くない。中・高のろう学校も有り得るが、小、中はどうするか。高だけで20名に満たない学校ができる可能性もあるが。
  • ○ 就職につなげる、進学につなげるという2つの課題がある。学力がないと大学にいけない。親は学力の確保のため難聴学級に入れている。学力の確保のため中・高一貫の学校が欲しい。幼・小は0歳から始まる早期教育が欲しい。
  • ○ 知的障害養護学校の職業学科の応募率が高い。保護者のニーズに応ずる職業学科を作っていく方策を考えて欲しい。
  • ○ 盲学校は特色ある学校をつくる上で制度上の規制がある。本校では2期制の検討を進めてきたが、盲・ろう・養護学校は管理運営規則に2期制の規定がないということだ。特色ある盲・ろう・養護学校のために制度面の整備が必要である。
  • ○ 知的障害養護学校は3割が自閉症(傾向含む)であり、その子たちに合わせた学校のあり方の検討が課題である。
  • ○ 知的障害養護学校の高等部は地域の中学校から6割近い軽度障害の子が入ってくる。それぞれのニーズに合わせ、単独校の数を増やし、充実を図っていく必要がある。
  • ○ 肢体不自由養護学校では、重度・重複化が進み、毎日医療的ケアが必要な子が多い。救急体制整備事業も10年経って見直しが必要である。大規模化が進み、教員が150名を越える学校がある。また、スクールバスの通学が1時間30分もかかる子もいる。学校の適正規模,医療的ケアの検討を入れる必要がある。
  • ○ 自分は幼稚部から高等部までの一貫教育を受けたがメリットはある。しかし、メリットばかりではない。同じメンバーなので外部からの刺激がない。また、自分のことを第三者的立場で説明することが下手であり、経験が少ない。親の考えも変ってきた。ろう学校は学力が低い、手話を教えてくれない、交流もできないということなら、ろう学校でも普通学校でも同じではないか。それなら学力の高いほうがいいと。ろう学校の子供の数は減るのみなので、手話も教えて魅力的なろう学校をつくる必要がある。
  • ○ 寄宿舎が抜けている。今後、都は寄宿舎教育をどう考えるのか。いらないのか、評価しているのか。また、教員の専門性が問題になっているが、健康、公務災害の問題がある。取り上げて欲しい。
  • △ 寄宿舎は課題である。スクールバスの問題、児童・生徒の減少等も含め教育環境の問題として今後論議したい。
  • ○ 1に関しては個別指導計画を活用すること。それに親を交えて改善すること。
     日々の実践記録のエッセンスとしての個別指導計画を望む。
     2についてだが、国立特殊教育総合研究所の調査では、他県では学校数が少ないこともあるが、肢体不自由養護学校には多様な障害の子がいて、教育課程が5つから7つある。知も盲も同様である。複数の教育課程の推進をして欲しい。そして、それを進める人の配置が必要である。
  • ○ 盲・ろう・養護学校教育の総合化で学校の総合化ではないという確認をして欲しい。国の動きも出てきているが、どのような形の学校を作るかは自治体の判断であると示されている。東京のような大きな自治体の場合は単一の障害の学校も残されると確認したい。聴覚障害の場合、専門性及び聴覚障害者の集団が必要である。
  • ○ 法制の準備の段階。特別支援学校に一本化されるのであれば、自治体によっては、ある障害の機能を強く持った学校もあれば、複数の機能を持った学校もあればということで、それを今議論しているわけで確認はなじまない。沢山の意見が出されている。私たちは子供に対して、多様な教育のシステムがあって、子供たちがそれを柔軟に選択する豊かさを用意したい。経済的事情等もあるので、ないものねだりにならないよう、多様なニーズに対応できる調和の取れた形を考えたい。規模の問題をとっても、小規模化、大規模化両方の課題がある。発達的に考えた場合,規模、学校の形をどう考えるか。
  • ○ 病弱は2校あるが、義務教育のみ。通常の学校に帰すことから、通常の学校との接点は多い。病弱養護で学んでよかったと言ってもらえるのは嬉しいことだが高等部がないので、東京は遅れている。枠組みが必要である。教育環境の充実に高等部を入れて欲しい。
  • ○ PTAは5種別あるがここには代表1人である。会議の事前、事後に5種別のPに伝えて欲しい。また、Pから情報を得て欲しい。一貫性について、背景は違うが全ての種別から意見が出ている。肢体では体が弱い子が多く途中で1、2年休学する子が多い。12年で卒業して行くところがない。受け皿がない。
    知的障害の場合、12年の教育では難しい。前の幼児教育と12年の後の教育期間の延長を考えていただきたい。センター化、特別支援教育の充実等広く考えなければいけないことは承知しているが、その前に盲・ろう・養護学校の充実を考えて欲しい。スクールバスの60分以内の乗車ということがあるが、乗れていない子がいる。「自立支援」というが、いきなりスクールバス無しでは難しい。福祉などのサポートも入れながら段階を踏んだ取り組みが必要である。寄宿舎、分教室、訪問教育のことが入っていない。盲・ろう・養護学校に通えない子供がいる。重度・重複学級に入れない子もいる。そこに視点を当てて考えて欲しい。重度・重複の子が多い。肢体不自由では67.5%である。しかし、重度・重複学級の設置率は平成12年度で45%であり満たされていない。そこを踏まえて充実を図って欲しい。また、教師の加配が不可欠である。先ず、人数が足りない。親が盲・ろう・養護学校を選んでよかったと思えるようにして欲しい。
  • ○ 現状、問題点を出して委員の共通理解を図りたい。時間があれば、中間まとめを出し、パブリックコメントを求めるような形もできる。5年、10年は十分持ちこたえるしっかりしたものにしたい。
  • ○ ろう学校に行って「ろうの子がいない」という感想を持った。プロパーの子は人口内耳をつけてこれまでと違った教育をしなければならない状況がある。
     知、肢に行っても聴覚、視覚への対応欠けている。人数だけでは解決しない。専門家が入ってつくって行く必要がある。早く行われるべきである。
  • ○ 障害種別を超えた学校の必要もそこにあるし、専門性も必要である。
  • ○ プロパーを持ちながら地域性を持つということが必要である。種別を超えた学校も部門はきちんとしておき管理は共通にする。
  • ○ 具体的なグラウンドデザインを描く必要がある。スクールバスが1時間30分、教師が150名はよくない。地域的に近いところで必要なサービスが受けられる形が望ましい。指導上はスペシャリストが必要である。盲、ろうはもともと学校が少ないので、これ以上減ったら大変である。人材資源センターとして核になる学校をしっかり持つことで、巡回支援も可能になる。
  • ○ 聴覚障害が主たる子供には学校卒業後自分で働いて生きていく力を育てたい。幼稚部から専攻科まである学校が平成14年度1校から2校になった。これからは中・高の学校を作って学力をしっかり伸ばし大学にいける子を育てたい。幼・小は別にし、小さい時から専門性を育てる。1学年2学級が必要である。学校数は減らし期待される教育力を育てたい。
  • ○ 個別指導計画の中にIT教育を入れて欲しい。ITの活用が教育の充実につながる。
  • ○ ここ数日保護者の話を聞いた。学校への不満が多い。障害を理解していない教師もいる。教師の言葉に子供は傷つく。子供のオンブズマン制度をつくって欲しい。
  • ○ チャータースクールの話がでた。目的と成果を約束する形でかなり自由な学校を認めるというものだが具体的構想はあるのか。
  • △ この委員会で検討するということではない。今後検討が必要だということをこの委員会として出しておくということである。
  • ○ 5の(1)は、「重度・重複化」がキーワードになっているが、それ以外の子供にも民間の手法を取り入れた学校が必要だと思う。「~新たな重度・重複障害教育」のところに「等」を入れてふくらみを持たせたらどうか。
  • ○ 「重度・重複」を決めるのはどこか。「この子は重度・重複です。」と言われても全然重度・重複に見えない子がいる。また、重度・重複の担任と言うからには、きちんとした専門性を持っていることが必要である。
  • ○ 一人一人の子供について各学校がきちんと判断することが大事である。今度の文部科学省の報告に、「特別支援教育コーディネーターのような専門家を各学校に配置」という内容があったように思う。子供の状況を各学校が共有する時代に向かっているのではないか。
  • ○ 単純障害の子の学力がついていない。重度・重複障害の子と比較して「このくらいでいいか」という状況を変えていく必要がある。
  • ○ 聞こえにくい、見えにくい、そして肢体不自由、知的障害があるという人がかなりいる。感覚障害の専門性と知的障害の専門性の両方のシステムを考える必要がある。
  • ○ 専門性が必要なのは重度・重複障害だけではない。単純障害の人に教科の力、学力を伸ばす専門性が必要である。
  • ○ 「イエス、ノー」がはっきり言えない。支援を受けたい時に「イエス、ノー」がはっきり言えなくて地域生活をやっていけるのか。小さいときから「イエス、ノー」が言えない教育になっていないか。
  • ○ 障害の多様化、障害の巾が広い。目標として「何かができるようになる子」もいれば、「状態の安定」、悪くならないことが目標の場合も有る。「学校のデザインを作って欲しい。
  • ○ 1の「個別指導計画」についてだが、東京は全国に先がけて「個別指導計画」を作った。しかし、作ったものが活用されているかという点で三重丸とはいえない。また、「保護者とともに作る」という点が重要である。文科省の中間報告では「個別の教育支援計画」という言葉を使っている。これは、幼児から学校を卒業して成人になるまでの教育計画を入れていこうというものである。「個別指導計画」の上位の概念になる。学校にいる間は学校が中心になって、福祉、医療、労働との関係で「個別支援計画」を使ってすることはある程度可能だが、就学前、学校卒業後どうするか、今後の関係部局との関係のあり方に関わる。青鳥養護、中野養護、小金井養護の研究を深めながら、幼児から成人までの教育計画をどのように作っていくか。これは教員だけで作るのではない。これまでの指導計画、教育計画の作成のしかたと根本的に違ってくる。ある意味ではアメリカのある州が作ったIEPに近い考えが導入されてくるのではないか。その意味では、東京では「個別移行計画」をあきる野養護、青鳥養護、矢口養護等で研究してきたので、それをどのように作成し、活用するかということになる。
     2番目の「複数の教育課程の編成」だが、それは各学校が進めている。「特別支援学校」の「総合化」に全部を混ぜてしまうという誤解が有る。盲教育と知的障害教育を合わせて何をするのか。そんなことはない。盲教育は盲教育である。ただ、重複の部分はお互いが相当の部分を出し合わなければきちんとした教育はできなかったはずである。又、あるパターンが出てくると、それでやらなければならないような印象があるがそんなことはない。盲学校、ろう学校が各1校、養護学校も2、3校しかない地域と東京のように50校以上ある地域では、児童・生徒が最も教育を受け易い状況をどう作るか違ってくる。児童・生徒の方を向いて、通い易い、活動し易い場を確保することが大事である。
     3に関して、ろう学校から中・高一貫が出されたが、知的障害にも中・高一貫の学校はいくつかあった。いろいろな形の学校があっていい。その意味では、4の所に関わって、ある学校には自閉症の子の特別のクラスをつくるとか、また、都で設けるかどうかは別にして、自閉症の子を集めた学校があってもいい。特色のある学校になる。4の(2)については、青鳥養護、南大沢学園の都市園芸科、産業技術科の倍率が高いのは学校不足ということだから、学校を設置していく方向で考えていく。毎年160名の希望者として20学級が必要になる。1校4学級として5校、地理的には東、北の地域に必要となる。その他については、「重度・重複」という言葉云々ということだが、理念の所では「特別のニーズに応える」ということだから、特別な教育ニーズのある児童・生徒に対応するためにいろいろなものができて、それが学校の中にもあるし、外にもあるという考えが必要である。
     3の特別支援教育センターだが、心身障害学級や、小・中学校への支援について盲・ろう・養護学校の専門性が高いと判断されれば支援をしていく必要がある。
  • ○ 沢山の意見をいただいた。さらに意見があれば事務局までお願いしたい。

次回は「教育環境の整備」に関して論議を行う。

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教育庁都立学校教育部特別支援教育課特別支援教育企画担当
電話:03-5320-6753 ファクシミリ:03-5388-1728
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