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第1回 東京都心身障害教育改善検討委員会 議事要旨

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最終更新日:平成30年(2018)2月28日

1.日時

平成14年7月9日(火曜日)14時~16時

2.場所

東京都庁第二庁舎10階201・202会議室

3.出席者(委員)

上野、西川、佐島、大南、津田、吉澤、時任、越智、杉原、山内、石橋、野村、大舘
米谷、濱崎、冬木、小坂、坂田、長岡、高橋、渡邉、斎藤、石川、比留間、中村、近藤

4.議事内容

(1)開会・挨拶

(2)委員の委嘱

(3)事務局より委員紹介

(4)委員長・副委員長の選任 委員長に上野委員が、副委員長に大南委員が選出された。

(5)教育長より諮問(代理 押切次長)。引き続き次長より挨拶。

(6)議事

  • ア 事務局より諮問の趣旨説明、質疑。
  • イ 事務局より検討委員会設置要綱の説明、質疑。
  • ウ 事務局より検討日程の説明、質疑。
  • エ 事務局より東京都の心身障害教育の概要について説明。
  • オ 委員自己紹介および意見交換(事項別に整理した)

[教育内容・方法の充実、重度・重複化、多様化への対応]

  • 海外に長くいたが、種別を超えた教育も、種別に応じた教育も両方とも充実していた。
  • 卒業後のあり方も踏まえた効果的な実習や、地域での暮らし方も踏まえた教育をお願いしたい。
  • 手話をどこで学べばいいのか、場がない、勉強ができないという現実がある。理念は出たけれども、方向性をいかに具体化できるかが問題で、それも踏まえて協議できるとよい。
  • 教育の問題としては、超重度化していることについて、また医療的ケアはどのようになされていくのかが課題。今は親が学校で待機しなければならない。
  • 教育内容をきちんとして欲しい。教育により、卒後が大きく変わる。軽い子の教育が少しおろそかになっていないか。
  • 軽度のことが取り上げられると、重度のことがおろそかになるのではないか、との懸念が有るようだが、日本は遅れている。与える教育から受ける側に立った教育、そのように考えると都の役割はとても大きい。

[教員の資質・専門性の向上]

  • 都の教員一人一人が、日本の教育をリードするトップリーダーたれという気持ち、自負心と緊張感を持って教育に携わって欲しい。
  • 専門研修の充実という課題があることから、東京都の研修の充実を期待する。
  • 最終的なサービスを提供する教師のクオリティが一番大きな問題で、今深刻な状況にあると思う。地方に比べると大都市圏の教師の意欲が低い。校内研修では大変厳しい状況にある。一人一人が育って行くためのルールづくりや評価ができていない。それは採用、養成、研修、人事、評価であると思う。いい人材を採って、若い人を5年、10年と育てていくことが大事である。
  • 教員の研修意欲が低いとの指摘があったが、教職員研修センターとしては、今後さらに研修を充実していきたいと考えている。
  • 採用の問題、普通の合格者が心身障害教育へ入ってくる問題、必異動の問題などがある。
  • 教師によっては自閉症も知らない、担任が任せられないなど限界を超えている人もいる。都は認定講習をやっているが、長いことやっていながら30数%である。(特殊教育教員免許状を)取らないで済んでいるのは、ライセンスを取るというルールがないからだ。基本的な部分での専門性に関するルールづくりということについて、検討してほしい。
  • 都の教員は非常に平均化していて、甘えているところもある。言語領域で学校に入っているが、校長、教頭の問題でもある。
  • 教員の専門性に関して、良い教員の前に良い人間であらねばならない。最も大事なことは人間性で、これをどう考えていくか。
  • 教員の質の問題では、採用、異動等の人事の課題がある。昨年は条件付採用期間の状況に基づき5名の新規採用者を任用しなかった。
  • 区市町村の教師の質の問題、これは養護学校よりもっと深刻。心身障害学級に長くいる教員はどれくらいいるのか、異動が早すぎる。

[教育環境の整備]

  • 本検討委員会は改善をする委員会なのだから、「盲・ろう・養護」の「・」がとれるくらいの、従来の(障害の種別ごとの)学校枠が変わっていくくらいを考えていきたい。
  • 今後の基本的な方向を検討するのであるが、環境の整備が緊急な課題で、今、どうするかということがある。短期の対応として、来年の4月は教室をどうするのかという問題がある。
  • 知的障害養護学校では、生徒数の増加や教室不足の課題があり、過密である。高等部では、2校にしかない職業学科を増やしたい。重度・重複学級については3人で1クラスだが、児童・生徒数の35%が重度・最重度の児童・生徒で、まだ実態と格差がある。
  • 肢体不自由養護学校は大規模化している。学区域が広すぎる。スクールバスの長時間乗車の状況や、多様な幅広い児童への対応、医療ケアの必要な子の増加などの課題がある。
  • 寄宿舎についても検討していく必要があるのではないか。

[早期教育相談、就労支援など]

  • 聴覚検査は従来は3歳児からであったが、ABR(聴性脳幹反応検査)、OAE(耳音響放射検査)など新生児に聴覚検査が出来るようになった。早期発見後の体制をどうするかが課題である。
  • 13年度の進路状況を見ると社会施設への入所者が多すぎる。高等部卒業後もっと選択肢ができていいのではないか。
  • 課題として、現代の若者の職業意識の希薄さ、就労について早くから共通認識させるにはどうするか、など協議していただきたい。
  • 就学相談が入学期に近すぎる、都・区市との二重構造、さらには、卒後対策等の検討事項について意見協議をしていただきたい。

[区市町村への支援]

  • どの子も授業が分かって伸びれば楽しい学校になる。区市町村への支援について関心を持っている。
  • 区市町村への支援のあり方については、風通しを良くする必要がある。
  • 情緒障害児が入ったクラスでは介助員をつけた。教室に居られないような多動な子も居る。このような子供へ対応できるような制度が欲しい。

[学校週五日制対応、地域での教育]

  • 教育の場と地域についてだが、学区域が広いので余暇活動が地域で出来ない。人的配慮はどうなっているのか。
  • 学校週5日制に関して、地域の小・中学校は地域に受け皿があるが、障害者の学校は地域が広い。受け皿をどうするかという問題がある。
  • 卒業後のあり方について対策を考えなければならない。先生方に障害に対する認識をもっと深めて欲しい。また、5日制になり、児童・生徒の地域での過ごし方についても検討する必要がある。

[心身障害教育のあり方、学校の課題・あり方、その他]

  • 特色ある学校づくりには、学校長の裁量の範囲をどの程度まで持たせていくかということも非常に大事。同時に予算も必要なので、特色あるアイデアには予算をつけてモデルにすることも必要。
  • 最近、障害者を取り巻く社会が変わってきている。盲学校では、地域のセンター的機能、0歳から3歳の就学前の早期相談、中途失明者への対応、児童・生徒数の減少、重複した障害のある児童・生徒など多様な子供が入ってきている。知的障害養護学校や肢体不自由養護学校の児童・生徒数が増えている中で、盲学校はどのように連携を進めていけばよいかなどの課題がある。
  • まだ、一人一人のニーズにあった教育ができていない。教育環境の整備も考えていかなければならない。教師の向上しようとする意欲が低いので、どうすればよいか検討して欲しい。ろう学校は推進構想が出ているが、すぐにとりかかれるところを期待している。
  • 盲・ろう・養護学校校長会として、この改善検討委員会とタイアップできるように「21世紀ビジョン検討委員会」を設け、本委員会と並行して検討をすすめていこうと思っている。
  • 病弱養護については、全寮制なので、学校5日制になったことによる課題がある。
  • 病弱養護の久留米は病院をもっているが、小さな子が増え、ベッドの中での勉強が増えている。
  • 検討事項はものすごく重要なことが沢山ある。養護学校を訪問するとその学校が教育に燃えているのかどうか、がよく分かる。いろいろなレベルで見ている。
  • 文部科学省の「21世紀の特殊教育の在り方」の検討の中で「特殊教育」という名称から「特別支援教育」という名称に変えていくべきとの議論があり、組織名称も「特別支援教育課」に変更された。都は「特殊教育」のかわりに「心身障害教育」という言葉を先行して使ってきたが、「心身障害」という言葉も「特殊教育」と同じように、概念としての寿命が来ているのかもしれない。
  • 「心身障害教育」という表現に慣れているので異議は感じないが、そういう言葉がお子さんや保護者の方、あるいは教育関係の方にどういう影響を与えるかという視点から考えていく必要がある。
  • 「特別支援教育」というのは少し長い名前のように感じる。何とかもう少し素敵な短い名前ができたらいいと思ったりもしている。

お問い合わせ

教育庁都立学校教育部特別支援教育課特別支援教育企画担当
電話:03-5320-6753 ファクシミリ:03-5388-1728
メール:S9000012(at)section.metro.tokyo.jp
迷惑メール対策のため、メールアドレスの表記を一部変更しております。
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